学校では「おニャン子クラブ加入」という噂も
── 芸能界デビューをしたときの、同級生の反応はいかがでしたか?
広川さん:学校で芸能活動をしていた生徒がいなかったので、非常に盛り上がってくれました。私が出演する番組を同級生が楽しみに観ていてくれたのも嬉しかったです。学校にテレビの取材が入って、クラスメイトや先生と一緒に撮影してもらったこともあり、いい思い出として残っています。
それから、デビューしたばかりの頃は、「広川がおニャン子クラブに入ったらしいよ」という噂が流れたこともあって(笑)。ものまねで優勝したという事実が、なぜか「おニャン子のオーディションに合格した」と勘違いされていたようです。
── 芸能活動と学校生活の両立は、大変だったのではないでしょうか。
広川さん:そうですね。卒業までは「学業優先」のスタンスでいましたが、デビューしてすぐに、仕事をたくさん入れてもらい、記憶に残らないほど忙しい毎日を送っていました。朝イチの飛行機で地方へ行って、深夜に帰ってくることもしばしば。ただ、アイドルと違って送迎はなく、ひとりで現場入りするのがほとんどだったので、「アイドルとお笑いタレントでは扱いが違う。衣裳を自分で用意したりネタも自分で考えなければならない」という現実を突きつけられました。でも、デビュー当時の経験が、今のたくましさにつながった気がしています。
当時、お笑いタレントとして活動している人は今ほど多くなかったです。17歳でデビューしたこともあり、周りはみんな私より年上の方が多く、たくさんかわいがってもらっていました。大変なこともありましたが、田舎の高校生では味わえないようなことをたくさん経験して、楽しく活動できていたと思います。
PROFILE 広川ひかるさん
ひろかわ・ひかる。本名、上島光。お笑いタレント。1970年、埼玉県で生まれる。高校時代から芸能界を目指し、1988年、『発表!日本ものまね大賞』で優勝し芸能界デビュー。1994年に上島竜兵と結婚。結婚後は一時専業主婦として家庭に専念するが、まもなく復帰し情報番組のリポーターなどで活動。現在は個人事務所に所属。ブログとInstagramで日々の生活や仕事について発信中。著書に『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA)がある。
取材・文/佐藤有香 写真提供/広川ひかる