はじめての一目ぼれ、芸能界引退、彼の両親を介護しようと

── 旦那さんとの出会いを伺ってもいいですか?

 

高橋さん:米米CLUBのBONさんやMATAROさんと担当していた音楽番組に、当時バンドマンだった夫がゲストとして出演してくれたのが出会いです。それまでひと目ぼれしたことなんてなかったのに、夫と出会った瞬間「この人すごく素敵かも」と好きになってしまって。その日からさっそく、猛アタックしました(笑)。

 

でも、私のことをよく知らなかった夫は、ただただ驚いている様子で。夫のバンド仲間が、「高橋里華からアタックされてるの?」「食事でも行っておいでよ!」と、あと押ししてくれたおかげで、25歳ころからおつき合いが始まりました。

 

高橋里華の結婚式
結婚式の様子

── その後、30歳で芸能界を引退された理由はなんだったのでしょうか?

 

高橋さん:30歳を目前にして、「芸能界でバリバリ働き続けるのは、体力的にも精神的にもしんどいな」と感じるようになって。デビューして15年、さまざまな経験をさせていただいて「やりきった」と思えたのも理由のひとつです。

 

引退後はゆっくりと過ごしていたのですが、彼のご両親が高齢で持病もあり、心配で身の回りのサポートをするようになりました。当時、とくに結婚は考えていなかったのですが、ご両親とも素敵な方で、「サポートしたい」と自然に思ったんです。

 

引退から半年ほど経ったころ、「ムリなく仕事をしたいな」と思うようになり、彼の両親のサポートを続けながら、あまり時間のかからないCMのお仕事だけ再開しました。

 

── 自然とサポートしたくなる、旦那さんのご両親はどんな方だったのでしょうか。

 

高橋さん:義父は温厚で優しく、ユーモアもあって、一緒にいて楽しい人でしたね。義母はいつもきれいに着物を着こなす、憧れてしまう女性でした。料理上手で、お店で出てきそうな、美しくて美味しいお料理も手際よく作ってしまうんです。何より、仲睦まじいふたりの姿を見ているのが幸せでしたね。

 

── その後、33歳で結婚されました。

 

高橋さん:結婚したときは「新婚生活を楽しみながら、仕事も義実家のサポートも続けよう」と思っていたのですが、実家の祖母が突然倒れてしまい、介護が必要になってしまいました。想像していた新婚生活が送れなくなるなんて、結婚式のときには想像もつきませんでした。 

 

PROFILE 高橋里華さん

たかはし・りか。1972年、埼玉県生まれ。15歳で国民的美少女コンテストに出場し、入賞。芸能界デビューを果たす。1992年度フジテレビビジュアルクイーン。2006年に結婚すると同時に祖父母の介護を開始、その後義父母との同居、介護を続ける。2020年にYouTubeチャンネルを開設し、2021年には『じいじ、最期まで看るからね』(CCCメディアハウス)を出版。二児の母。

 

取材・文/笠井ゆかり 画像提供/高橋里華