「あなたはかわいい!」と言われ続けて育った
── 自信に満ちて行動できる子をつくり出したお母さんの「自己肯定感爆上がりの子育て」が気になります。それはどのようなものだったのでしょうか?
衛藤さん:もちろん、「ありがとう」と「ごめんなさい」がちゃんと言える人間になりなさいとか、人としての道徳倫理にはすごく厳しかったです。でも、人はみな完ぺきではないのだから失敗してもいいし、どんなことがあってもあなたには家族がいるし、たとえ社会で失敗しても大丈夫。何度でもやり直せるんだからいろんなことに挑戦しなさいってことを日常のさまざまな場面で教えられましたね。そういう安心感を植えつけてくれたというか。
あと、「あなたって本当にかわいい」って、これでもかというほど言われて育ってきたんですよ(笑)。見た目のことではなく、存在そのものが。「本当に愛されてるなぁ…」と自覚するくらい。しかも母のすごいところは、兄も弟も「3きょうだいのなかで自分が一番愛されてる」と思わせていたところです。兄には「最初の子だから特別」、私には「ひとり娘だから大切」、弟には「あなたが一番かわいい」といった具合に。上手に「お母さんが自分だけを見てくれる」と思わせていたんですよね。3分割した愛情ではなく、それぞれ100%で、300%愛してくれていたわけです。
── そんなお母さんに育てられ、ごきょうだいも仲が良さそうですね。
衛藤さん:はい、本当に昔から家が大好きで。外で友達とうまくいかないことがあっても早く家に帰って家族に今日あった出来事をシェアしたい!と思っていましたから。今も何でも話せる関係でいられるのも、そうした環境をつくってくれた母のおかげかもしれません。これまで大事な決断のときは必ず家族の存在がありました。
かくして、乃木坂46のオーディションも家族会議して受けることを決めました。
PROFILE 衛藤美彩さん
えとう・みさ。1993年生まれ。大分県出身。乃木坂46の一期生として活躍。2019年には卒業でのグループ初となるソロコンサートを開催し注目を集めた。同年に埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手と結婚。2022年に第1子、2023年に第2子を出産。現在子育てに奮闘する2児のママとしてSNSやYoutubeチャンネルで日々の様子を発信中。
取材・文/加藤文惠 写真提供/衛藤美彩