父のような「わが子に憧れられるお父さん」になりたい
── お話を聞いていると、鈴木家は風通しがよくて、とても仲がいいことが伝わってきます。
鈴木さん:そうですね、仲はいいです。いつも近くにいるからぶつかることも、もちろんあります。それこそ、夢にするアドバイスも、僕が家族だからこそ言える本音だったりするので、夢にとっては耳が痛かったりすることもあるかもしれません。
── ケンカをしてしばらく冷戦状態…なんてことはなく?
鈴木さん:ないです。どうにか元に戻ります、数分のうちに(笑)。一日中家族の話を聞かないとか、会話をしないということ自体がない家なんですよね。
── ご両親がきっとそういう雰囲気をつくっていらっしゃるんでしょうね。
鈴木さん:そういうことをしていたらもう、父のカミナリがドカーンって落ちるんで(笑)。ケンカしてずっと空気が悪いままというのは、許されないんですよね。
── 鈴木さんはご長男ということで、より厳しく育てられたとか。
鈴木さん:はい。僕は一人目の子どもだからすごく愛情は注いでもらったと思っていますが、そのかわり、怒られることも多かったです。「ダメなことはダメ」と教えられた僕が、今度は弟や妹を注意して教えてあげなさい、と父から言われたこともありました。僕と夢が、弟や妹たちを叱って、それでもダメなときは父が怒るという。
仕事現場にゲームを持っていったときに「仕事と遊びにメリハリをつけなさい」と叱られたこともありましたね。ちゃんと厳しく叱ってくれたことには、今でも感謝しています。
── 鈴木さんご自身は、反抗期はなかったのですか。
鈴木さん:いろいろしてもらっていることがわかっていたので、反抗心はあまり生まれませんでした。父や母が僕のためにいろんな工夫や努力を惜しまずにいてくれたおかげで、今の自分があるので。本当に自分と同じくらい僕を理解してくれているふたりだと思っているし、心強いです。
── 俳優として活躍されるいっぽうで、結婚などこれからのライフステージの変化についても、何となく思い描いたりはしているのでしょうか。
鈴木さん:結婚はしたいと思うし、小さい子がすごく好きなので、子どももほしいです。そういうのは、すごい憧れます。理想は、3人以上はほしいかな。でもそれも、自分の家が楽しいからだと思います。「父さんは仮面ライダーだったんだぞ」って子どもに自慢したいですね。
── 自分のお父さんみたいな人になりたい、とかはありますか?
鈴木さん:父みたいに、かぁ…(笑)。まあでも、ああはなれないなと思うので、また別の形で、ですけど。子どもに憧れられるような父親になりたいというのはあります。今、自分が恥ずかしげもなく父のことを「すごいと思う」とこうして言えているので、自分もそう言ってもらえる存在になりたいです。
PROFILE 鈴木 福さん
俳優。2004年東京都生まれ。1歳より芸能活動を開始。2011年に7歳でドラマ『マルモのおきて』に出演し、注目を集める。同ドラマ主題歌として、「薫と友樹、たまにムック。」名義でシングル「マル・マル・モリ・モリ!」が大ヒットし、『第62回NHK紅白歌合戦』に史上最年少で出場。現在は大学で学びながら『ZIP!』の新木曜パーソナリティーに最年少で抜擢されるなど、さらに活躍の場を広げている。
取材・文/松崎愛香 写真提供/テアトルエンターテインメント、大靏 円(昭和基地¥50)