「テレビで笑いが取れない焦り」と人生を変える出会い

── グラドルとして順風満帆に歩まれていたんですね。

 

原口さん:最初のころはそうでしたね。だんだんと「次も(番組に)呼ばれるために、結果を残さなきゃ」と思うようになっていって、楽しさよりも焦りを感じるようになりました。いろいろな芸人さんとお仕事をさせていただいて、勉強にもなって楽しいんですが、やっぱり私はしょせん素人です。毎回、笑いを取れるとは限りません。

 

そんなときに、大物芸人さんのトーク番組への出演が決まりました。爪痕を残すために、マネージャーさんとトークの練習をしましたが、本番ではうまく話せなくて、それでまた叱られて…。

 

まわりに相談できる人もいなくて、少しずつ自己肯定感が低くなっていきながらも、お仕事は自分なりに精一杯やりきる。そんな生活を送るなかで、夫と出会いました。

 

── ご主人とはいつ、どんな形で出会ったのでしょうか?

 

原口さん:モノマネ番組の前に共演した地方ロケが初めての出会いです。私は高校生のころからライブハウスに通うくらいお笑いが好きで、じつは、ずーっと夫のファンだったんです(笑)。

 

だから、一緒のロケが決まったときは本当にうれしかったですね。挨拶した際も、イメージ通り気さくな人で、ロケに不慣れな私に「カメラにお尻を向けたらいけないよ」など、本番中に笑いを交えながら注意してくれて、すごく頼りになる先輩でした。

 

なので、思いきってカメラが回っていないところで、「おもしろいことが言えない」って相談したんです。そうしたら、「なんでアイドルがおもしろいこと言わないといけないの?」って。それを言われたときにハッとしたんです。「どうして私、自分がおもしろいこと言わないといけないと思ってるんだろう?」って。

 

それからはメールでやり取りするようになりました。同じ仕事の後に、「今日の私は何点でしたか?」と送ると、「星みっつです!」と返して来たり、ちょっとまじめな仕事の相談には、それに見合った丁寧なメールを返してくれたり。そんな芸能界の先輩・後輩としてのつき合いを続けていました。

 

学生のころに描いた「おもしろい」「親切」といったイメージが崩れることはなく、ますます好きになっていきました。

 

── メールでご主人の人柄がわかっていたから、その後、おつき合いされることになるんですね。

 

原口さん:そうですね。学生のころからのファンというのもありましたが、「絶対にこの人と結婚するんだ!」って思って、「結婚してください」と、私から逆プロポーズしたんです。

 

PROFILE 原口めぐみさん

はらぐち・めぐみ。1984年、埼玉県生まれ。タレント、女優。高校1年生でグラビアアイドルとして芸能界デビュー。様々な特技を持ち、モノマネ番組やバラエティー番組で活躍する。2010年にモノマネ芸人の原口あきまささんと結婚して、現在は4人の男児のママ。

 

取材・文/安倍川モチ子 画像提供/原口めぐみ