モノマネ芸人の原口あきまささんの妻で、4人の男の子を育てる母でもある原口めぐみさん。グラドルとして活動していた時期、順調だったキャリアの中で、「笑いがとれない」と焦りが徐々に募ったそう。できることと求められることのはざまの苦悩と救いがありました。(全4回中の1回)
女優になるため飛び込んだ芸能界で求められた一発芸
── 2010年にモノマネ芸人の原口あきまささんとご結婚され、現在では4人の男の子を育てるママでもある原口さん。芸能界デビューのきっかけは、高校生1年の夏に受けた、ネットアイドルオーディションだったそうですね。
原口さん:はい。正確には、某アーティストのプロデュースでデビューできるオーディションを受けたのですが、最終選考で落ちてしまいました。そのときに、主催事務所に声をかけられて。紹介していただいたネットアイドルオーディションでグランプリをとれたので、グラビアアイドルとして芸能界デビューしました。
── そのころに目指していたのは、アイドルだったのですか?
原口さん:いいえ、女優です。子どものころからテレビが大好きで、いつかは女優になりたいと思っていました。グラドルは芸能界デビューへの登龍門のようなもので、女優やモデルへの第一歩だったんです。
ただ、当時はグラドル全盛期だったので、生き残り競争が激しかったですね。デビュー後、まずは顔を覚えてもらうために出版社をまわったり、バラエティ番組のオーディションに参加するのですが、何かプラスアルファが必要で…。あるオーディションでは一発芸を求められて、当時流行っていたTIMさんの「命」をやりました(笑)。
オーディション自体は大変でしたが、その先にあるバラエティ番組の出演は、とても楽しかったです。テレビに出始めたころは何もかもが新鮮で、まわりからも「いいね、いいね」とほめられて、「楽しい」っていう気持ちだけで突っ走っていました。
── 原口さんといえば、“モノマネが上手いグラドル”というイメージがあります。
原口さん:ありがとうございます!当時は、モノマネ番組に「アイドル枠・グラドル枠」みたいなものがあったんです。私自身、昔からモノマネをしていたわけでないのですが、森高千里さんとかを試しにやってみたら意外と似ていたので、モノマネ番組には何度も出させていただきましたね。
モノマネのクオリティーを上げるために日々練習して、ネタ見せをして。「これも人生経験のひとつだ」と思いながら、チャレンジしていました。
── あのころのグラドルのなかには、芸人さん顔負けの活躍をされる方もいらっしゃいましたよね。一番印象に残っているお仕事は何ですか?
原口さん:それはヘビに噛まれたことですね!じつは私、テレビ史上初かもしれない、ヘビに噛まれたグラドルなんです(笑)。あるバラエティ番組の企画で、芸人さんをアテンドするバスガイド役として参加したんですが、本番前に「(ヘビに嚙まれに)行けるか?」って聞かれて、「行けます」って返事をして(苦笑)。
ヘビを怖がる芸人さんたちを制して、「私が(ヘビを)大人しくさせます!」と、先頭に立ってヘビに噛まれるっていう。一緒にいた芸人さんに「お前が笑い全部持っていってんじゃねぇか!」って言われました(笑)。あと、落とし穴に落とされたこともありましたね。
体を張る仕事は大変ですが、その反面、成功したり、笑いを取れたりしたときはすごく楽しかったですし、やりがいも感じていました。それが芸能界で生き残る道だと信じて、ガムシャラに仕事をしていましたね。