夢の世界がものすごいスピードで現実に

── テレビ出演など活躍の場がたくさん増えてからは、生活もガラッと変わったと思います。当時はどう思っていましたか?

 

りんごちゃん:武田鉄矢さんのものまねなどでたくさんの方に知っていただけて、すごく嬉しかったし、夢のような現実が一気に繰り広げられて、「すごいなー」って思っていました。

 

私のウリはギャップ芸ですけど、それこそテレビ出演が増えた後の人生のギャップもすごかったです。ジェットコースターというのか、ぎゅーっんと、いきなり生活が変わり始めて、不思議な感覚でした。あの頃は毎日たくさんのお仕事をいただいて、目の前のことに必死で、とにかく全力で走らせていただきました。お休みもなくて。「予期しないことが起きるとここまで動けるんだな、人ってすごいな」って思っていましたね。

 

ただ、後になって気づいたのですが、あの頃は、日々仕事に奮闘するなかで、ひとりでゆっくり考える時間や興味のあることにアンテナを張る時間がまったく取れていませんでした。そのなかで、人への感謝の気持ちや「ありがとう」のひと言まで忘れがちになってしまっていたんです。

 

それに気づいてからは「感謝することや『ありがとう』を大事にしたい」って気持ちが、以前よりもパワーアップしました。

 

女優の高橋メアリージュンさん、高橋ユウさんとりんごちゃん
女優の高橋メアリージュンさんと高橋ユウさんはプライベートでも大の仲良し

── そんなりんごちゃんは今、仕事のモチベーションにしていることはありますか?

 

りんごちゃん:1日1日のモチベーションでいえば、大好きな食べることと遊ぶことですかね。「4日間仕事を頑張ったら、友達と会えるぞ!」とか(笑)。

 

でも、土台になるモチベーションは、りんごちゃんの仕事の先に喜んでくださる方がいたり、笑顔になってくださる方がいることかな。特にものまねライブが一番お客さんの生の反応がわかるんです。「わー!」って喜んでくださったり、笑ってくださったりする姿を見ることが大きなモチベーションになっています。

 

PROFILE りんごちゃん

青森県生まれ。2019年にテレビ番組『ウチのガヤがすみません!』の出演をきっかけにブレイク。“ギャップ芸”という新しいものまねで、子どもからお年寄りまで幅広い層から愛されている。青森県十和田・奥入瀬観光大使として活動中。

 

取材・文/高梨真紀 写真提供/りんごちゃん