ものまねタレントとして活躍中のりんごちゃん。芸能界を目指して上京後、数多くのテレビ番組に出演するようになるまで10年以上の下積み時代がありました。その生活を変えたエピソードをお聞きしました。(全4回中の3回)

自分を変えるボタンは自分の中にある

海援隊のみなさんとりんごちゃん
武田鉄矢さんをはじめとする海援隊の面々との貴重なショット

── 今のご活躍の大きなきっかけは「自分を変えたこと」だったそうですね。詳しく聞かせていただけますか。

 

りんごちゃん:18歳で上京して働きながら芸能界を目指していたけれど、特にチャレンジもせず、何の変化もない人生だったんです。そんな私の30歳の誕生日に、職場の上司が「自分を変えるのは今しかないよ」ってアドバイスをくれて。「そっか、自分を変えるボタンは自分の中にあるんだ」って腑に落ちました。

 

それで、すぐに変えられることから始めようと思ったんです。まず、すごく小さなことですが、挨拶を丁寧にするようにしました。朝一番で「眠いなあ」と思っても、グッとこらえて、笑顔で気持ちよく挨拶をする。そのほうが自分も相手も気持ちいいと思って。そんなふうに、日常で当たり前すぎて忘れそうな基本的な礼儀やマナーをちゃんとして、人間りんごちゃんを正していこうと思いました。

 

── 人間りんごちゃんを正す、ですか。

 

りんごちゃん:そうです。ただ、自分を変えることってすごく力がいるんですよね。新しい力を自分から振り絞って今までやってなかったことを頑張ろうとするとパワーも時間も必要。すごく疲れたり、寝る時間が減ったりもしました。

 

笑顔で挨拶をするっていうのも簡単そうに思えるけど、顔がひきつりそうになるときがあって。でも、グッとこらえて、1日笑顔で過ごすようにしました。メールや仕事も、「明日でもいいかな」と思ってしまっても「いや、今日やるぞ」みたいな。

 

そんなことを毎日続けていたら、仕事ですごく成績が上がっていって、自分もいつも気持ちよくて、自分に関わってくれる人も笑顔が増えるようになりました。大きなことを始めたわけでもないのに、「すごいなあ!」と思っていた数年先に『ウチのガヤがすみません!』の出演依頼があり、自分でいうのもなんですが、たくさんの方にりんごちゃんを知っていただけるようになったんです。

 

多分、日常の人間りんごちゃんを変えたことが大きかったと思います。それまではものまね番組のオーディションに出てもテレビ出演しても、挨拶とかどこかたりない部分があったと思いますが、人との接し方や考え方を変えたことで人生が変わることにつながりました。

 

りんごちゃん
体を張った芸などさまざまなチャレンジを続けるりんごちゃん

── 自分を変えることができたりんごちゃん、すごいですね!

 

りんごちゃん:全然、すごくないですよ!ただ、自分を変えられるのって自分しかいないと思うと、きっかけってやっぱり大事だし、私が変わるきっかけをくれた上司にはすごく感謝しています。

 

それに私、いつも、「生きているみんなすごいな」って思っています。日々こうやって生きていること自体がすごいことだと思うんです。