治療を続けながら「病気とうまくつき合っていく」

── 去年、20年勤めたフジテレビを退職されました。その後、体調の変化はありますか。

 

石本さん:夫の出張が増えたことなどもあり、この1年は体を休ませつつ、家のことや子育てをメインでするようになりました。局アナ時代とはまったく違った時間の過ごし方をしています。これまではシッターさんや学童に預けて子どもたちをお願いすることも多かったのですが、子育てに多くの時間を使うようになって、やりがいや楽しさとともに、仕事とは違う大変さも感じています。でも、それ以上に生放送のプレッシャーは大きかったと思いますね。

 

石本沙織さん
社内評判も高い石本さんの歌唱力!退職を前に後輩たちが卒業コンサートを企画

バラエティ番組やドラマはいち視聴者としてゆったり観られるのですが、担当することが多かった報道、情報番組は今でもドキドキしてしまって、観ながら変な汗をかいてしまいます。皆さんが裏でどれだけ頑張っているかもわかるので…。でも、以前と比べると今はだいぶ症状としてはラクになったと思います。

 

半年に一度は検査をして甲状腺の数値を測っています。薬で甲状腺ホルモンを補っているのですが、数値には表れなくても、自分の感覚として前の自分とは違うというのがわかるんです。

 

女性は、出産や年齢とともに体の変化も大きいので、それと向き合いながら社会に入っていく大変さがあるというのをこの年になって痛感しています。体を労わりつつ、病気とうまく付き合っていきながら、毎日を充実させていけたらと思っています。

 

PROFILE 石本沙織さん

1980年富山県生まれ。早稲田大学を卒業後、2003年フジテレビ入社。「めざにゅ~」「めざましテレビ」「とくダネ!」「FNNスーパーニュース」「イット!」など、報道・情報番組を中心に活躍し、バラエティ番組で歌唱力を披露する機会も。2019年より逗子市に移住。2023年3月末でフジテレビを退社。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/石本沙織