去年、20年勤めたフジテレビを退職した石本沙織さん。橋本病と診断されてからは、明るいイメージの裏で、「元気に振る舞ってどっと疲れが出る」症状に悩んでいたといいます。

体の不調が続いた30代

── フジテレビのアナウンサー時代に、体調を崩したことがあったそうですね。

 

石本さん:最初の不調は30歳の頃でした。当時は結構、アナウンサーも体を張る企画があったんです。あるロケのあとから調子が悪くなり、帰宅後に起き上がれなくなってしまいました。体を起こそうとすると、頭がガンガン痛くて吐いてしまうんです。

 

石本沙織さん
オンエア前に報道センターで原稿のチェックをする石本さん

病院も何か所か回ったのですが、CTやレントゲンを撮っても原因がわからないと言われました。首にヘルニアがあるのが見つかったので、それが原因だろうと言われたのですが、私としては「ヘルニアで、ここまでの症状にはなるのかな」と納得いきませんでした。

 

── その後、どうされたんですか。

 

石本さん:ひたすら自宅で安静にするしかなく、仕事を休ませてもらって2~3週間、ずっと家で横になっていました。トイレに行くのも床を這って行く毎日。これまでそういった経験がなかったので、気持ち的にもショックを受けていて。

 

大学ではチアリーディングをしていましたし、スポーツも大好きだったので、持ち前の元気と明るさを活かして仕事に向き合ってきました。自分でも体は強い方だと思っていたのですが、これを機に、もしかしたら自分が思っているより無理が効かないのかもしれないと思うようになりました。30代は、本格的に体力作りをしていかねばと思い、そこからヨガなども始めました。

 

── その後、結婚し出産もされました。産後の体の不調はいかがでしたか。

 

石本さん:34 歳で長女を出産後、さらに疲れやすくなりました。人間ドックで首の腫れを指摘され血液検査をしたところ、橋本病と診断されました。橋本病は、バセドウ病とは反対に、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。

 

病気が判明したことを親に伝えたところ、実は私の親も、姉も同じ病気を患っていることを知りました。橋本病には遺伝の要素もあるそうです。薬の服用を続けて、だいぶ改善はしましたが、疲れやすさは変わらずありました。

 

石本沙織さん
お揃いのイヤリングがかわいい!2人の娘と親子ショット

頑張りがきかないといいますか、ちょっとデパートに行っただけでも疲れてしまって、10分くらいで「もう帰りたい」となってしまいます。買い物に行っても服を選んだり、買ったりできなくなってしまいました。それよりも早く横になりたいと思うことが増えました。

 

橋本病を発症する方は女性の割合が多いのですが、もし以前より疲れやすいと感じている方がいらっしゃれば、ぜひ一度検査をしてみてほしいです。

 

── その後、2人目のお子さんを出産されますが、体調はいかがでしたか。

 

石本さん:治療を継続しながら次女を妊娠し、36歳のときに無事に出産したのですが、産後は本当に体がだるかったです。何もする気が起きない日々が続きました。ひとり目もふたり目も産休と育休を取らせてもらって仕事に復帰したのですが、前のような元気が出ないんです。正直なところ、自分の体力の限界というものを感じました。

 

逗子海岸
「吸い込まれそうに美しい!」現在暮らしている逗子の海岸で撮影

── 明るく元気なイメージの裏で、そんなご苦労があったとは知りませんでした。

 

石本さん:気持ちは元気なので、仕事に復帰してからも元気に振る舞ってしまうのですが、終わったあとにどっと疲れが出てしまうというのを繰り返していました。「いつまでテレビに出続けられるんだろう」と不安に思っていましたし、自分の体や生活を整えることに意識を向けようと思うようになりました。