落ち込んだら「捨てる」もの

島谷ひとみ

── 2022年にシンガーソングライターとして35枚目のシングルでデビューしました。

 

島谷さん:これまでいろんなアーティストの人に曲を書いてもらったり、一緒に作ったりしました。音楽活動を通して、自分がイメージしているものをもっと具現化したくなってくることがあったんです。音楽活動が難しくなったコロナ禍、自宅にいる時間を制作に充てることにしました。最初は、携帯のレコーダーで鼻歌を録音し、アレンジを依頼して、実際の曲に仕上げてもらうようになりました。その曲が予想以上に好評で、音楽関係者から「できるじゃん」と評価され、これがきっかけで制作した曲を公に発表しようと決断しました。


── 作詞作曲がひとつの大きな転換になったんですね。

 

島谷さん:最近、自分でさまざまなことに挑戦したいという気持ちに気づきました。詩を書くだけでなく、曲も具現化し、ショーも自分で企画しています。自分がイメージしたパフォーマンスをするために、洋服を探し、コーディネートもしています。自分でやることで着心地がよく、動きやすく、ダンスもしやすいんです。

 

他人から見たら、私は変わり者で、自己満足でやっていると思われるかもしれません。でも自分らしくいるほうが、まわりも自然体な私を受け入れてくれているように思います。そう思って、自分で様々なことに挑戦している最中です。


── 島谷さんは、自分自身で反省会はしますか?

 

島谷さん:反省会をするときもあります。反省したり、少し落ち込んだときにいつも考えるのは、過去の失敗を「捨てる」こと。過去をずっと引きずって生きるのは面白くないと思うんです。失敗しても、もう終わったことは一度捨てる。過去を引っ張らないようにしているので、へこみすぎず、振り返ることはあっても過度にはしないようにしています。

 

PROFILE 島谷ひとみさん

広島県出身。1999年7月のデビュー以来、「亜麻色の髪の乙女」「パピヨン-papillon-」などで大ヒット。音楽活動だけにとどまらず、多くのラジオ、バラエティー番組などに出演し、活躍中。

 

取材・文/間野由利子 写真提供/島谷ひとみ、株式会社Eye-Land