なんでこんなに不幸を浴びせるのか!

アンミカ

── 苦しい経済状況の中で、卑屈になることはありましたか?

 

アン ミカさん:教会で過ごしていた際に、神父様に「神様がいるんだったら、なんでこんな真面目なクリスチャンに、ここまで不幸を浴びせるのか。神様なんているのか!」って言ってしまったことがあるんです。

 

そしたら神父様が「何か試練があっても、この人がもっと幸せになるために、人としての器を広げるために神様が試練をお与えになっている。知恵と工夫で乗り越えることができたら、本当に困っている人に寄り添ってあげることができる。自分や周りが幸せになるために、何度も試練を送っているんですよ。試練を否定的に捉えると器が小さくなります。自分に起こるハプニングを全部信用しなさい。一回、物事を全部受け入れる。被害者意識を持たない。なんで私ばっかりとか、人のせいにばかりしていると、自分の成長を阻むクセがつく」と言っていただいてから、徐々に変わっていきましたね。

 

── 神父さんの言葉が染みそうです。

 

アン ミカさん:とても影響を受けましたね。確かに経済的には苦しかったのですが、家族で知恵を出しながら、ときには兄弟でキャッキャと楽しく過ごしながら、みんなでつらいことも乗り越えていった感じです。おかげで今でも兄弟の結束は強いですし、周りに助けられながら今を過ごせていると感じています。

 

PROFILE  アン ミカさん

1972年韓国出身、大阪育ち。1993年パリコレ初参加後、モデル業以外でも、テレビ・ドラマ・TVCM出演など幅広く活躍。「漢方養生指導士」「日本化粧品検定1級」などの多数の資格を活かし、化粧品、洋服、ジュエリーなどをプロデュース。自身初、絵本の翻訳を担当した『スパゲッティになりたいラーメン じぶんをすきになるえほん』(KADOKAWA)が好評発売中。

 

取材・文/松永怜 写真提供/アン ミカ