自分のメイクにかける時間は…

── ものまねマスクメイクを始めたことで、どんな変化がありましたか?

 

ざわちんさん:一番変化を実感したことはメイク技術が上がったことでしょうか。私は、これまで美容専門学校には行ったことがなく、全部独学でスキルを身につけました。なんの技術も才能も持っていなかったから、ときには限界を感じることもありました。でも、逆にものまねメイクをすることで、普通の人は絶対やらないような、斬新でクリエイティブなメイクテクニックを習得できたことは大きかったかなと思います。

 

── ざわちんさんは、ご自身のメイクにはどのくらい時間をかけますか?

 

ざわちんさん:けっこう丁寧にやるほうなので、トータル1時間くらいでしょうか?メイクが好きでいろんなアイテムを試しているため、自宅には現在も段ボール4箱くらい分のメイクグッズがあります。

 

── 2014年に出版された初のメイク本『ざわちん Make Magic』は、発行部数20万部をこえて、現在もたくさんの人に支持されています。

 

ざわちんさん:このメイク本では、テクニックを惜しみなく紹介しました。人によっては、メイクの技がマネされることを気にして公開しないこともあると思います。でも私は、アメブロでメイク技を紹介するたびに、実際に試した人たちが「まわりの人からほめられて自信がつきました」というコメントをいただくことがあって。

 

メイクをきっかけに、誰かの人生が変わるきっかけになるならと思って、テクニックや使用している道具についても惜しみなくお伝えしました。あとは、本当に一つひとつのものまねマスクメイクのクオリティを最高の状態で仕上げることにこだわりました。

 

── ものまねマスクメイクのクオリティを高めるときは、何が大事ですか?

 

ざわちんさん:どれも手を抜かず、メイクはもちろん、髪型や洋服もできる限り本人と同様に再現することです。写真で撮る際は、カメラのライティングや陰影の出し方なども大切ですね。ものまねマスクメイクは簡単そうに見えるかもしれませんが、トータルで考えると、1人仕上げるのに3時間くらいはかかってしまいます。

 

書籍を作った際は、多い日は1日に5人ぐらい撮影したから、そのたびにメイクを落として肌を整えていたら、さすがに肌がかなりダメージを受けました(笑)。皮膚の薄い膜がどんどん剥がれていくので軽い火傷になったほどです。でもメイク本を通して、たくさんの方がメイクの楽しさや、自分自身が変わるきっかけになったのなら、頑張った甲斐があったなと思います。

 

PROFILE ざわちん

群馬県出身。芸能人のものまねメイクで大ブレイク、一世風靡をした。現在、マスクメイクをはじめ、さまざまなメイク法をイベントやメイク講習会などで披露・伝授。また新たに開始した『tiktok 赤髪のざわざわ』のtiktokライブが可愛くて面白いと評判。4月は絶賛毎日配信中。

 

取材・文/間野由利子 写真提供/株式会社アローズエンタテインメント、株式会社マネージメントS