ヴァイオリンのある場所に入ることは絶対に避けて

── ヴァイオリンは大変高価なイメージがあります。娘さんが小さい頃には管理に気をつかったのではないかと思いますが、どのように伝えていましたか?

 

宮本さん:私の使用している楽器はDOMENICO MONTAGNANAという約300年前に作られたもので、「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者である宗次さまのコレクションからお借りしています。

 

娘には小さいときからヴァイオリンのある場所に入ることは絶対に避けてと説明しているので、近づくことは絶対にしません。実際に宗次さまにお会いする機会もありその度に「この宗次さまからお借りしているものだからね」と伝えているので、ヴァイオリンは「お借りしている大切な物」とわかってくれています。

 

── 娘さんは現在9歳ですね。どんなときに成長を実感しますか?

 

宮本さん:身長もかなり私に追いついてきていて、久しぶりに会う人たちに「大きくなったね」と驚かれます。私の洋服ともあまりサイズが変わらなくなってきて、ズボンは洗濯すると「あれ?どっちのだ?」と思うことも。

 

最近はお手伝いするといいことがある!みたいな本を、学校で読んだらしく、何も言わなくても洗濯物をたたんでくれたり、トイレットペーパーを替えてくれたり、 食べ終わると「お皿置いておいてね、洗うから」と言ってくれたりして心強いです。

 

── 逆に年齢が大きくなるにつれて出てきた子育ての悩みなどはありますか?

 

宮本さん:いろいろありますよ。あんまり言わないようにとか、自分の意見だけを押しつけないように気をつけているんですが、それでもつい口出ししちゃうことも。

 

最近の娘はブロックで建築したり、お友だちとインターネットで繋がったりして遊ぶゲームが好きで「ママも一緒にやってみよう」と誘われたんですがまったくついていけなくて、そこはお友だち同士にお任せ。ほかにはYouTubeも楽しいからどうしても見たがるのですが、見だすとなかなか止まらないから週に何回だけとかルールを決めるように。でもなかなかうまくいきませんよね。年齢とともに少しずつわかってくれるようになったのかなとは思うのですが。

 

── もしかして娘さんを怒る担当は宮本さんの方が多めだったり?

 

宮本さん:基本的に私が娘に注意する役目になりがちです。たくさん注意した後に夫がフォローを入れたり、分かりやすく説明しながら話し合いをするように連携しています。

 

PROFILE 宮本笑里

ヴァイオリニスト。東京都出身。14歳でドイツ学生音楽コンクールデュッセルドルフ第一位入賞。その後は、小澤征爾音楽塾、NHK交響楽団などに参加し、07年「smile」でアルバムデビュー。様々なテレビ番組、CMにも出演するなど幅広く活動中。2022年7月デビュー15周年を迎え、同月には15周年記念アルバム「classique deux」をリリース。

 

取材・文/平岡真汐 写真提供/宮本笑里