「エロかしこい」のキャッチフレーズでブレイクした優木まおみさん。現在はマルチタレントとして活躍する中、SNSの反応を見ても気持ちがブレない訳があると言います(全5回中の2回)。
個性がないと感じていた日々
── 「エロかしこい」のキャッチフレーズで一躍ブレイクし、バラエティー番組などに引っ張りだこの存在に。ご本人としては、インパクトあるキャッチフレーズをどう感じていたのでしょう?
優木さん:すごくありがたいなと感じていました。倖田來未さんの「エロかっこいい」のキャッチフレーズにあやかって雑誌編集者の方がつけてくれたものでしたが、それまで、「自分には個性がないなあ」と悩んでいたので、嬉しかったんです。あのキャッチフレーズのおかげで、「ああ、『エロかしこい』の子ね!」と覚えていただけるようになって、お仕事もずいぶん増えましたから。
──「個性がない」と感じていらしたのですか?
優木さん:高学歴といわれても、東大や京大のタレントさんがたくさんいるなかでは埋没してしまうし、当時、全盛期だったおバカキャラを無理やり作れるほど、器用でもない。芸能界って、なにかひとつ尖ったものがないとやっていけないじゃないですか。でも、私には突出したものがなにもないなと悶々としていました。ですから、せっかくもらったキャッチフレーズを磨かねばと、雑学などを頑張って勉強してみたりと、必死でしたね。
── いまの時代だと、なかなかつけづらいキャッチフレーズですね。
優木さん:そうですよね。いまは、「女性らしい」とか「フェミニン」という言葉すら言いづらくなっていますから。ただ当時の私は「エロかしこい」のキャッチフレーズをつけていただいて嬉しかったです。
── その後は、MCやコメンテーターへと活躍の場をひろげていかれました。転機になる出来事があったのでしょうか?
優木さん:グラビアタレントとして知名度が上がり、いろいろな番組に呼んでいただけるようになって充実している一方で、「このままひな壇のグラビアタレントでいいのだろうか」という迷いもあったんです。もともとアナウンサーを目指していたこともあって、番組の司会などのお仕事にも挑戦してみたい気持ちがありました。
そんななか、番組でご一緒させていただいていた爆笑問題の田中(裕二)さんの言葉で、モヤモヤが吹っ切れたんです。「このままグラビアタレントとして進んでいっていいのか、よく分からないんです…」と不安な気持ちをポロっとこぼしたら、「ある一定のボーダーを越えたら、自分のやりたいことがやれて意見も言える立場になるよ。だから、いまは目の前の仕事を精いっぱいやってみたらいいんじゃない?」とおっしゃって。
その言葉がすごく腑に落ちたんです。そこからは、「これは私に向いているのかな」とか「将来に繋がるのだろうか」と、いちいちより好みせず、いただいたお仕事はすべて全力でやってみようと、気持ちが切り替わりました。
そうした気持ちで挑んでいたら、その後、MCやコメンテーターとしても声がかかるようになったんです。あの言葉がなかったら、いまの私はいないかもしれません
── 競馬中継番組「みんなのKEIBA」では、5年ほど司会を担当されました。もともと学生時代、府中競馬場のそばに住んでいたとか。
優木さん:通っていた東京学芸大から近かったんです。府中競馬場のなかでアルバイトをしていたこともあるので、起用された時はなんだか不思議な縁を感じましたね。馬が風をきって颯爽と走る姿は、とても美しくてかっこいいし、馬の血統などのルーツをたどるのも面白いんですよ。番組を通じて、さらに競馬の魅力にはまりました。
番組では、生放送の中継だったので、思わぬトラブルに遭遇することもありました。馬がレース前に逃げてしまったり、雪などの悪天候でレースが延長になり、「再開するまでなんとか繋いでいてください!」と言われ、出演者とサポートし合いながら懸命に場を繋いだこともありました。おかげで、臨機応変に対応していくスキルや、コミュニケーション能力などが養われ、とても勉強になりました。