SNSで心無い言葉について

ピラティスの動きもバッチリ

── 優木さんといえば、「しっかりと意見を持ち、自分の言葉で伝えることができる人」という印象があります。ブレない芯の強さは、どこからくるのでしょう?

 

優木さん:根底には、「他人からどういわれようが気にしない」という考えがあります。究極を言えば、そこまで人に関心がないのでしょうね。

 

そもそも自分のことを必要以上に大きく見せようとしたり、無駄にプライドを振りかざすのは、他人の目や反応を気にしてしまうからだと思うんです。例えば、「芸能人だったらこういうことをやるのが一流で、こういう仕事は二流」など、他人の価値を決めつけるようなことを言う人もいますが、自分の生きざまに納得していれば、誰かの発言で自分の価値が下がることなんてないわけです。結局、自分は自分でしかないのだから、他人の評価によって価値が決まるなんておかしな話。だから、誰が何を言おうが、気にする必要なんてないなと思っています。

 

── SNSなどで心ない言葉がとんでくることもあるかと思うのですが、気持ちが波立ってしまったりはしませんか?

 

優木さん:もちろん傷つきはしますよ。ただ、人の意見なんて、場面によってコロコロ変わるものですし、こちらの気持ちやそれまでのいきさつをなにも知らないのに、ちょっと見聞きした情報だけで決めつけて判断してくるような無責任な言葉に、心を動かされるなんて、嫌じゃないですか。

 

── 確かにそうですね。心が持たなくなってしまう。

 

優木さん:ぶれない芯のある自分がそこにいれば、外からの雑音に惑わされることがなくなっていく気がします。

 

そのためには、「自分にとって、なにが幸せなのか」「本当にやりたいことはなにか」を考えておくことが大事だと思うんです。他人がどう思うかではなくて「自分のなかの満足感」を大切に生きる。私の場合、最低限の食べ物があって、自分が大切だと思えるものさえあれば、何があろうと生きていける気がします。「足るを知る」は、大事ですよね。

 

なにで満足感を測るのかは、人によって違います。もらう金額を基準にする人もいれば、自分の成長だったり、周りにいる仲間や家族に認められることを重視する人も。でも、自分が満足するものをちゃんと手にして、手応えを得られれば、他の人から何か言われても、「そういう意見もあるよね」と、動じずに受け流せるようになっていくと思うんです。

 

── ブレない強さの秘訣は、「自分にとっての満足感」を基準に生きているからなのですね。

 

優木さん:自分のなかの満足感を基準に生きていれば、人の価値観も許容できるようになると思っていて。「この人はこういう価値観で生きているんだな」と受けとめられるので、基本的に人の行動に対して、「こうすべき」とか「それは間違っている」と頭ごなしに否定することもなくなっていきます。結果的に、人間関係も良好になるし、自分の心も健やかでいられてハッピーです。

 

PROFILE  優木まおみさん

1980年生まれ。佐賀県生まれ。タレント、ピラティスインストラクター。モデルやバラエティ、コメンテーターほか幅広く活躍中。2013年に結婚して現在は2児の母。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/優木まおみ