赤髪、ブロンドヘアなど日本舞踊界の異端児と言われる五月千和加さん。離婚、再婚、出産を経て、伝統芸能と家庭と両立する現在の暮らしは。(全2回中の2回)。
日本舞踊会の異端児と言われて
── 日本舞踊の家元として活躍されていますが、特徴的な容姿から「日本舞踊界の異端児」とも言われているそうですね。
五月さん:日本舞踊といえば、黒髪のかつらと着物を着て踊るイメージがあるかと思いますが、私は赤髪やブロンドヘアのカツラを用いたり、レースやラインストーンを施した着物を取り入れて、若い世代の方でも楽しめるように工夫しています。そのため異端児と呼ばれることもあります。
── そんな五月さんですが、プライベートでは21歳で一度ご結婚されたそうですね。
五月さん:20歳から同棲していた相手で、21歳で結婚しました。
当時は、周囲の期待に翻弄され、葛藤もありました。今考えれば、自分がどうしたいかよりも、家元を背負っていくというプレッシャーのほうが強かったのかもしれません。でも、結果的にはそのつらさが舞台表現にも役立ったのではないかと思います。伝統芸能の作品では、しばしば恋愛や結ばれない恋が描かれます。そうした経験をして、つらい思いをすることで表現がより深まったと感じます。祖母からも立派な舞踊家になるためにも、若いときはいろんな男性と付き合うように勧められました。実際、私も恋愛を通してつらい感情や悔しい思いをたくさん経験することができ、それが日本舞踊を踊るうえでも役立っていると思います。
── これまでにいろんな出会いがあったかと思います。印象に残った恋愛エピソードはありますか?
五月さん:私は、恋愛に限らずご縁のある方とは、できる限り全力で応援したいと思っています。そのため交際相手に尽くしすぎてしまうことも。ある人には、家を借りて家具も全部揃えていろいろお世話をしていたのに、だんだんと相手がわがままになり、あげくのはてに私がフラれてしまい…。今思い返すと、とんでもない金額を貢いでたなというのはありますね(笑)。でも、過去の経験があるから今があるから、後悔はしていません。