ヘアサロンでのケアは1回6時間にも及ぶ

娘さんとランチ中の五月千和加さん

 

── 五月さんがさまざまな活動を続けるなかで、自分への評価が変わってきたと思う時期はありましたか?

 

五月さん:カツラの色を変え始めた26、27歳くらいから、だんだんと応援してくれる人が増えてきたように感じます。特にここ2、3年はブロンドヘアや赤髪のカツラが私のトレードマークのように言ってくれる人も増え、舞台に出演する際に「ブロンドや赤髪でお願いします」と言われることも増えてきました。

 

── 五月さんは、カツラだけでなく地毛も赤くされていましたね。

 

五月さん:自分が他の人と同じ格好をすることが嫌いで、黒以外の髪の色にしたいと思っていました。いろいろ迷っていたとき、思いついたのが、私が好きなディズニープリンセスのアリエルでした。アリエルは、深い海の中から飛び出し、人間界で成功しました。アリエルの姿と私自身の環境が似ていたため、道を切り開く際にアリエルから力をもらいたいと思い、赤く染めました。

 

── 赤髪のケアはどんなふうにされていましたか?

 

五月さん:赤髪は毎月のメンテナンスが必要で、地毛で伸ばすことが難しかったです。ヘアサロンでのケアは、平均して1回6時間ほど、月に2回通っていました。髪を洗うと色が落ちてピンクになるため、一週間に3回くらいしか洗わないようにしていました。

 

5年くらい赤髪にしていましたが、子どもが2人いる今は、髪の手入れに時間をかけられなくて。日本舞踊の改革として始めた赤髪ですが、今振り返ってみると、自分の個性を大切にすることや信念を貫くことの大切さに気づかせられました。今は赤にこだわらずブロンドの時期もありますし、赤髪も自分らしく生きるきっかけになったと思います。

 

PROFILE 五月千和加さん

東京都出身。2歳の時、国立大劇場にて初舞台。現・五月流 流祖である五月千王から手ほどきを受ける。現在は、舞台出演、五月流の運営、門弟への指導に加え、メディアを通じての活動も行っている。

 

取材・文/間野由利子 写真提供/五月千和加、株式会社エイジアプロモーション