ものすごく人を見る目があります

グリーンの衣装に身を包んだ小林幸子さん

── 子どもの頃から芸能界や大人の世界に身を置いていると、人を見る目が養われそうです。

 

小林さん:ものすごい人を見る目がありますよ(笑)。すぐ信じるけれども、透視する術みたいなものはあるのかなって感じますね。だから大きく騙されたこともないです。お金で騙されちゃったとか、騙されて山買っちゃったとかたまに聞きますけど、そうした大きな失敗はせずに地道にやってきました。

 

なんとなくその人をじっと見ていたらわかりますよ。波動とかその時の自分の状態、あと目つきでもなんとなくわかります。目つきが悪い人がダメなわけじゃないですよ。目はね、本当に正直に言いますね。綺麗とか綺麗じゃないかではなく、気持ちが表れるんだと思います。でも、いろいろな人がいていいと思いますよ。どんな人でもいいところも嫌なところもあるだろうし、人間っぽくていいと思いますよ。

 

── そうした経験を積みながら『おもいで酒』の大ヒットによって、人生がどんどん変化されていきました。

 

小林さん:そう考えると、いろいろな経験をさせてもらって、無駄なことはひとつもなかったと思います。すべて今の糧になっています。

 

PROFILE  小林幸子さん

1953年生まれ、新潟県出身。64年、10歳で『ウソツキ鴎』でデビュー。79年『おもいで酒』が200万枚突破の大ヒットとなり、日本レコード大賞最優秀歌唱賞をはじめ数々の音楽賞に輝く。その年NHK「紅白歌合戦」初出場。以降34回出場。近年ではニコニコ動画やYouTubeでも活躍し若い世代やネットユーザーからも人気。今年芸能生活60周年を迎える。

 

取材・文/松永怜 写真提供/幸子プロモーション