THE W決勝に進出し、一躍知名度をあげたお笑いコンビ「はるかぜに告ぐ」のお二人。出演オファーが相次いで嬉しい反面、深刻な悩みもあるそうで──。お話を伺いました。(全3回中の3回)

相方の第一印象は「金太郎」

── 見た目も性格も、自他ともに認める正反対さが売りのコンビですが、お互いに相手の強みだと思うことについて教えてください。

 

一色といろさん(以下といろさん):私はもともと芸人になろうと思ってなかったというのがあって、芸人像と言いますか、芸人としてのあり方がわからない状況でした。でも相方は、中3から芸人になりたいと思っていただけあって、先輩への接し方とかも上手ですし、今後どうやっていくかもちゃんと考えているんです。でも、ちょっと時代が違う芸人っぽいといいますか…。タバコを吸って、酒も飲んで、遅刻してという部分もありますけどね。

 

とんずさん
これは破壊級のかわいさ!二十歳の成人式で振袖姿のとんずさん

とんずさん:周りの方も言うんですけど、「といろさんって、金太郎やってたもんな」って。NSC時代にピンネタをする時に、衣装で金太郎の服を着てたんです。そのネタでしか金太郎やってないのに、みんな覚えてるんですよ。その1本しか見たことないのに、みんなの目を引くって言うのは強みだと思うんです。見てわかると思いますけど、芸人じゃない人が芸人の世界に迷い込んでしまったみたいな感じ。しかもそのネタに金太郎は関係なかったし。

 

といろさん:あったあった、関係ありました!

 

とんずさん:ネタ飛ばしてた(覚えていなかった)から、わからんかったわ(笑)。ほんまに、「この方なにされるんやろう」っていう、これまでなかった枠にいるので。といろさんの雰囲気もそうですけど、芸人を目指していなかったと言うのもキャッチーになって、プラスに働いてると思います。

 

── 芸歴1年目でTHE Wの決勝戦に出場し、注目を集めました。その後の生活は変わりましたか。

 

といろさん:それ以前が少なかったので、仕事量も増えましたし、こういう取材もこれまでなかったので結構変わりましたね。

 

一色といろさん
超貴重!NSCでピン芸人だった頃の一色といろさん

とんずさん:忙しすぎて、ネタを2人でやる時間がないというところまで影響出てます。うちらはネタのストックがないんですよ。番組とかが決まってから、ネタを作るみたいな感じになっていて。漫才は結構、素でやっていてアドリブも結構多いんですが、コントがちょっとやばいなと。昨日送ったネタもちょっとどこかでしないとやばいよねって、この場でといろさんに言うくらい。時間がないからネタの練習をする時間は相当なくて、かなり追い込まれています。

 

── 早く売れた方ならではの悩みですね。

 

とんずさん:先輩からも「あんまり早く売れん方がいい」っていうのを聞いてて。それもわかるんですけど、うち女やし、結婚とか子どもを産む年齢は気になっていて。3年以内にはと思ったけど早すぎましたね。思いのほか、才能がありすぎちゃって(笑)。

 

はるかぜに告ぐさん

でもTHE Wに出たことですでにネタを見てくれてる人と初対面で会えることのはありがたいです。1年目で、普通だったら「なんじゃこいつら」って思われるところを、地上波でネタをさせてもらったので、先輩に挨拶に行っても「ネタ見たから知ってるで」って言ってもらえる。すでに知ってもらっている状態で仕事ができるのは大きいです。

 

といろさん:ハイヒールさんも見たっておっしゃてくれて、ラジオに呼んでくださったり、ご飯にも誘ってもらったり。すごくフレンドリーにしてくださっています。

人生の目標も正反対な2人

── とんずさんは、ゆくゆくは結婚や出産も、という話でしたけど、この後の人生設計についてはどう考えていますか。

 

とんずさん:人生の 2大目標が賞レース優勝と、結婚と思っていて、それを絡めて考えるようにしています。少し仕事が安定して売れてきたぐらいで結婚して、ご祝儀も先輩とかからたくさんもらって。産休をとって戻ってきてもポジションがあって、みなさんに認知されるような状態にはしておきたいんです。

 

はるかぜに告ぐさん
勢いのあるふたりの今後の活躍に期待が高まる

といろさん:私は今まで恋愛感情が芽生えたことがないので、結婚したいとか子どもを産みたいと思ったことがないです。でもこのままいくと孤独死になってしまうので、いいくらいの年齢のお金持ちの方をゲットしたいなという気持ちはございます。

 

とんずさん:そう言ってる子が最初につき合った人と結婚するパターンって多くないですか。結婚して辞めます、って急に言い出すのを実はめっちゃビビってます。

 

── といろさんは、いつか本を出したいとおっしゃっていましたよね。

 

といろさん:芸人になる前から結構資格を取っていて、前から参考書を書きたいなと思っています。中小企業診断士の参考書などをわかりやすく、ちょっとユーモアを交えて。私はあんまり勉強をせずに資格を取るのが好きなので、できるだけわかりやすく書いて、印税生活を目指しております。

 

とんずさん:それに関しては本当にがんばってほしいです。今、うちが全部ネタ書いて給料は折半なんで、といろさんが本を書いても折半になると信じて応援してます!

 

PROFILE はるかぜに告ぐ

2023年デビューの1年目。ほんわかボケ・一色といろとしゃがれたツッコミ・とんずの、見た目も性格も真逆コンビ。同年、女芸人No.1決定戦THE Wで決勝進出。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/はるかぜに告ぐ