出産して感じたのは「かわいい」より「親の責任感」
── 家族にとっても「エアコンのような存在でいたい」とおっしゃいましたが、子育てはどんな方針でしょうか?
木佐さん:うちはスパルタではないけど、友だち親子でもなくて。親と子の間に一線をひいて分けています。もちろん、私は友だち親子を否定するつもりはまったくないです。
ほめられることをすればほめますが、ほめるところを探してまではほめません。子育ての目的って、「自分で生き抜けるようにすること」だと考えているので、ときには怒られたり、小さな壁を乗り越えていってもらいたいなと。
息子の場合、小学校のときに忘れ物をするとノートに忘れ物スタンプが押され、スタンプがたまると主任や校長先生に呼び出される仕組みでした。
「かわいそうだから」と、忘れ物を学校に届けたり、一緒に確認する家庭もありますが、私は「忘れて恥をかくのもいい。次から忘れないから」と静観しました。
── 私はつい忘れ物を届けてしまいそうです。木佐さんの静観、なかなかできることではないですね。
木佐さん:私は出産したときに「子どもの愛情やかわいさ」よりも、「親としての責任」をより感じたんです。子どもを育てるってこんなに重みのあることなんだ、って。
まわりによく助けてもらいましたが、わが家はほとんどワンオペだったこともあり、よけい責任を感じました。親が人前に出る仕事だと、子どもも厳しめにみられるかもしれないので、しっかり育てなきゃという気持ちは強いです。
── 子育ての重み、共感します。お父さんと同じように、息子さんも野球を?
木佐さん:息子は高校で野球をしていましたが、もともとそんなに好きじゃないみたいで。小さいころから、夫が出ている試合を観ていても、夜7時になるとチャンネルをアニメに替えたがっていました(笑)。
夫も「野球選手になるもんじゃない」と、ムリ強いすることもありませんでした。子どもは「私たちのもの」ではないので、本人の自主性や個性を尊重しています。

子育ても、やはり私の幼少期に過ごしたアメリカでの経験が原点となり、息子もひとりの個人として見ています。「親の希望」で、何かをやらせたい気持ちはありませんね。
── 息子さんの個性にあわせてっていいですね。
木佐さん:昔は夫との会話で、「仕事で宇宙飛行士とかいいんじゃない?」って、サンタさんを利用してちゃんとした望遠鏡をプレゼントしたこともあるんですよ。これをきっかけに宇宙に目覚めたらいいのになぁって。でも1ミリも響かなかった(笑)。そういうこともあって、今にいたります。