2012年に結婚したNON STYLE石田明さん。不妊治療を経て双子に恵まれますが、家でも外でも育児とどう向き合っているのでしょうか。(全4回中の3回)
不妊治療を一緒にはじめて
── 奥様との出会いについて教えてください。
石田さん:僕が偶然訪れた居酒屋で彼女が働いていて、ひとめぼれしたのがきっかけです。何度か通っていたら彼女のお母さんが、彼女を誘って僕のお笑いの舞台を見に来てくれたんです。お店では一人で呑みながらパソコンばかりいじってたやつが、舞台に立ったら急によくしゃべる!それで一気に僕を見る目が変わったそうです。
── そこから交際、結婚へ。
石田さん:僕はもともと早く結婚して子どもを持ちたかったし、彼女とはたとえ喧嘩してでも本気で向き合いたいと初めて思えた相手だったんです。
結婚したら芸人は終わる。芸人の墓場やみたいなことをいうやつもいます。でも、別にキャーキャーいわれたいわけでもないし、結婚してもちゃんと笑わせられるというのを見せたかったのもあります。
── 結婚後は、子どもついて奥様とどうお話されましたか?
石田さん:すぐに子どもが欲しかったのですが、結婚して5年間できなかったので、妻と一緒に不妊治療の検査に行きました。
なかには不妊治療の検査や治療を嫌がる男性もいるようですが、僕はまったく抵抗はなかったですね。不妊治療によって将来的に子どもができる可能性が広がり、未来がより豊かになる可能性があるなら素敵なことですよね。僕ら夫婦は約1年間不妊治療を試みたものの妊娠に至らなかったため、一度不妊治療を中断。でも治療をやめたあとすぐに自然な形で子どもを授かることができました。
双子ファミリーですれ違うとき
── 初めてのお子さんは双子でしたね。
石田さん:子どもができないと思っていたのに、今度はいきなり双子が誕生しましたね。実は、妻は一度流産したことがあるので、もしかしたら生まれる予定だった子がおなかに戻ってきてくれたのかなと妻と話しました。
確かに双子育児は大変ですが、僕にとってはチャンスだと思いました。子どもが生まれて、多くの家庭はまだまだお母さんの経験値ばかりが伸びていき、お父さんは役不足になりがちになると思うんです。でもうちは双子だから夫婦で協力する必要がありますよね。最初から育児にかかわってきたし、パパ友達の中でも相当なエリートです(笑)。いきなり普通のパパの経験値2倍積めたのは大きかったですね。
── 夜泣きはいかがでしたか?
石田さん:日中は奥さんが双子の世話をして、夜中は僕が担当。双子が交代で泣くのでまったく眠れない日も続き、仕事の移動中に寝るようにしていました。
── 外出もひと苦労なのでしょうか。
石田さん:気をつかうし疲れます。ベビーカーに乗せていても、双子が泣き出したら片方をおんぶしてもう片方を抱っこする。ベビーカーを押しながら荷物を抱えて大変です。他の買い物客に双子用ベビーカーが邪魔だとキレられたこともあります。
たまに道で双子連れのファミリーとすれ違うときがありますが、そんなときお互い、「がんばりましょうね!」みたいな目配せをしてます(笑)。これは双子育児をしている親同士ならではの楽しさかもしれませんね。
PROFILE 石田 明さん
大阪府出身。学生時代の同級生、井上祐介とNON STYLEを結成。三人姉妹の父親として、2020年から週休2日の働き方を取り入れる。ブログ「NON STYLE石田明オフィシャルブログ」やInstagram「nonstyle_ishida」でも発信中。
取材・文/間野由利子