2022年8月から東京と奄美大島で二拠点生活を始めたIMALUさん。仕事が無くなる不安もあったとしながら、なぜ未知の場所・奄美で二拠点生活を始め、今何を思うのでしょうか。(全3回中の3回) 

熱海じゃなくて奄美??

── 2022年8月から東京と奄美大島の二拠点で生活をされていますが、何かきっかけがあったのでしょうか。

 

IMALUさん:もともと海の近くに住みたくて。東京に通える千葉や神奈川のほか、熱海なら新幹線で行けるだろうと思い、家を探していたんです。でも、なかなかこれだと思える家に巡り合わないままコロナ禍に入りました。その後、たまたまGo To トラベルで奄美に行ってみたら、直感で「ここに住みたい!」とピンときました。

 

── 当時の事務所の方は、奄美大島のお話を聞いて驚かれたのではないでしょうか?

 

IMALUさん:「熱海じゃなくて奄美…??」とかなり驚かれました(笑)。

 

少し遡りますが、子どもの頃から多忙な両親を見て育ち、身内が亡くなっても舞台を休まない母親の姿も見てきました。私自身も19歳でデビューすると、仕事は忙しければ忙しい方がいい。仕事が入ることが幸せで、お休みが週に1回あると不安すら感じていたんです。

 

でも、そうした日々が長年続いていくと、だんだんと自分の感情がわからなくなってしまいました。もはや何が嬉しくて何がツラいのかわからない。次第に仕事にも行き詰まりを感じるようになって、2017年にインドネシアにひとり旅をすることにしたんです。

 

インドネシアは3日程度の旅行でしたが、ヨガをしたり、1日3食きちんと食事をとったり、現地の人の話を聞いたりしながら、だんだんと自分の気持ちを取り戻していった気がします。仕事が忙しいことがいちばんではないな。まずは自分の心と体を大事にしながら仕事をしよう!という考えになりました。

 

もともと老後は田舎に住みたいと思っていましたが、ある方に田舎暮らしは若いときの方がいい。老後は病院が近い方がいいと言われて(笑)、行けるときに行っておこうと思ったこともあります。

 

── 二拠点生活をする前は、不安はありましたか?

 

IMALUさん:すごくありました。レギュラーのお仕事も奄美と東京を行き来する生活になると言ったらスタッフさんにどんな反応をされるのか。新しいお仕事もオファーが減るのかといった、仕事が無くなる怖さはすごくありました。また、東京っ子なので田舎暮らしができるのか、地元の方と上手くやっていけるかもわからなかったですね。

 

── 実際二拠点生活が始まっていかがでしたか?

 

IMALUさん:それが全然、大丈夫でした(笑)。奄美に行ったことで新しい出会いもあったし、なぜあのとき怖がっていたんだろうと思うくらい来てよかったです。はじめは車もないし、家の水道も引けてない状態でスタートして、ようやく整ってきたのが今年の夏くらい。二拠点生活が始まってしばらくはコロナ禍でいろいろ制限がありましたが、今年に入って次第に状況が落ち着いてくると、地元の行事にもどんどん参加するようになりました。

 

奄美に行く前は私が来ることによって地元の方からネガティブな反応もあるかと覚悟していましたが全然違った。「よく来てくれたね」って。奄美の人はいい人ばかりだし、今の生活にチャレンジして本当に良かったです。