「デビューして一気に怖くなりました」と語るIMALUさん。19歳のとき華々しくデビューするも、予想だにしなかったレールを歩きながら何を思っていたのか。(全3回中の2回)
テレビのワイドショーに私が映ってる!
── カナダの高校を卒業して19歳でデビュー。もともと芸能界を目指されていたのでしょうか?
IMALUさん:高校卒業後の進路を迷っていたとき、母親の個人事務所のマネージャーさんが私のデビューの計画をしてくださったんです。あれよあれよという感じで素晴らしいレールを用意していただき、帰国した翌年にはデビューが決まりました。
── 雑誌『zipper』のモデルとしてデビューされました。
IMALUさん:はじめは音楽の連載と聞いていましたが、ファッションページもどうですか?と声を掛けていただき引き受けた感じです。
それが、いざ私のデビューの情報が解禁されると「IMALU、モデルデビュー!」と大々的に報道されたんです。「あ、私モデルになっちゃったんだ!」って。どうしよ、どうしよ!みたいな。いっきに怖くなってしまって。テレビをつければ私の顔が全ワイドショーに出ているし、昨日まで平和に過ごしてきたはずがなんで?って。言い方悪いですけど、指名手配されたような気持ちで(笑)、ヤバい!見つかる!みたいな気持ちで落ち着かないし。
ワイドショーでコメンテーターの方たちが私の写真を見て想像するんです。この子はこれからどんな風になっていくのか、どういう声なのか、トークは面白いのかって。テレビから流れる会話を聞きながら恐怖を感じてました(笑)
もちろんありがたい話だとは重々わかってるんですよ。でも、心の準備ができていなければ自信もない。そんな状態でスタートしました。
── デビューするとお仕事がいっきに増えていったそうですね。
IMALUさん:もうすごかったです!今では考えられないですけど、19歳でデビューしてほぼ同時期にラジオもスタート。CMにドラマに20歳になったら鶴瓶さんのアシスタントとして『A -Studio』にも出させていただいて、映画もCDデビューも果たしていって。
── かなり華々しい活躍ですね。
IMALUさん:完全に親の力ですね(笑)。
── ラジオのようなトーク力を問われるものや、演技が必要なドラマに出てみて、いかがでしたか?
IMALUさん:全然できてなかったと思います。ラジオはメインのDJさんがいて私はアシスタントだったので、放送事故はたぶん免れたとは思います(笑)。ドラマは演技経験もまったくなかったし、そんな自分がいきなり人前で演技するのは緊張しました。
でも、これは誰もが経験できることではないし滅多にないチャンス。そう思いながら、自分のスキルが間に合っていないので、感情がいったりきたりするんです。いっそのこと腹を括ればよかったと思うんですけど、そこまでの覚悟もなく。結局、すべて中途半端な感じ。それでもデビューして2、3年は記憶がないくらい忙しくて、一日一日をただ過ごすのが精一杯でした。
── いわゆる親の七光とか、二世と呼ばれることについてどう思いますか?
IMALUさん:今なら「そうそう親の力使ったわ!」って言えますが、当時はみんなに何か言われるのも怖かったし、それをジョークに変える余裕もなかったです。わかってる。私才能ないけどお仕事させてもらってるんです…!って、堂々とすることもできなかったですね。