13年の交際を経て結婚したANZEN漫才あらぽんの妻・嫁ぽんさん。芸人の妻として仕事の不安定さを感じつつも、家族としてどう向き合っているのでしょうか。(全3回中の3回)
名前が売れ始めたときに勢いが止まった
── 2017年に結婚されたときは、ANZEN漫才の名前が世間に知れ渡っていった時期でしょうか。
嫁ぽんさん:ちょうどANZEN漫才の名前が世の中に広がって、かなり忙しくしていた時期だったと思います。毎日いろいろな現場に出かけて行って、相方・みやぞんとコンビの仕事も多かったですね。
── 今はコンビのお仕事はあまりないのでしょうか?
嫁ぽんさん:聞いている限り、ほとんどないような気がします。ANZEN漫才がテレビに出てちょっとすると、みやぞんは月の半分は仕事で海外に行くようになったし、コンビだとどうしても人気格差みたいなものも出てきちゃうかもしれないけど、まぁしょうがないかなって思っていて。
みやぞんはもともと身体能力も高いし器用だし、ホントなんでもできちゃう人なんです。周りから愛されるタイプだし、きっと人気者になるだろうなって売れる前から思ってました。
── 芸人さんはお仕事の波もあるかと思いますが、結婚されていかがですか?
嫁ぽんさん:たぶん波もあるだろうと思って結婚しましたが、何か起きる前にいろいろ考えてもなぁとも思っていて。ただ、結婚してしばらくすると、世の中がコロナ禍に入っていったんです。せっかく名前が売れてきたタイミングで仕事が減って、人気もちょっと落ちて、今までの勢いが止まってしまいました。あらぽんもちょっと不安を感じていたと思います。
ただ、2020年に娘が生まれたことが大きかったですね。初めての子育てで大変だったので、他に集中するものができたというか。子育て以外のことをあまり考え込まずに済んだのかもしれません。私としても一番大変な時期に、家にいてくれてすごく助かりました。
── 旦那さんに求めることはありますか?
嫁ぽんさん:家事も子育てもなんでもやってくれるので、感謝ばかりですが…強いて言えば、自分のプロデュースがすごく下手だなって思うことがあります。いいパパだしいつも家族中心で考えてくれますが、自分のいいところを伝えるのが苦手というか。私もブログをしているので、あらぽんのいいところをもっと伝えられたらなと思います。
あと、この先不安なことが起きたとしても、私はあまり深刻になるタイプじゃないんですよね。もちろん「今月お金がピンチ!」とか言うかもしれませんが、何かあれば自分が働けばいいかなって思うし。私が働けば家族のご飯くらいならなんとか食べられる気がします。基本的になるようになるかなって思って過ごしています。
それよりもあらぽんが好きなこと、あらぽんがこれなら笑っていられると思うことを選択していけば、ちょっとずついい方向にいくんじゃないかなって。
子どもが生まれてから夫に変化が
── お二人が出会ってから約20年になります。旦那さんの機嫌の良し悪しは、帰宅した瞬間にわかるそうですね。
嫁ぽんさん:子どもが生まれる前は、ロケ先でたくさんお土産を買ってきたり、コンビニでお菓子を買ってきたりすると、今日はいいことあったんだなって思いました。逆に機嫌がイマイチの日は「ただいま」も言わずに黙々とリビングに入ってきて、何を聞いても「うん」しか言いません。そういう日はだいたい夜遅く帰ってくるので、こちらも何も聞かずにいったん寝ます。翌朝「何かあった?」と聞いて、「特に」と言われたらそのままですが、主人から聞いて、聞いてと、相談されることも多いですね。子どもが生まれる前は、自分の話をワーッてしゃべってすっきり!みたいな感じが多かったですね。
── お子さんが生まれてからはいかがですか?
嫁ぽんさん:自分の話より子どもの話にすごく耳を傾けてくれています。出会ってから約20年になりますが、今も昔もずっと優しいですし、何より一緒にいて居心地がいい。自分にとって、いい相手と家族になれたと思っています。
PROFILE 嫁ぽんさん
お笑い芸人・ANZEN漫才あらぽんの妻。嫁ぽんの愛称でアメブロでクスッと笑える話など、あらぽんちの日常を発信している。
取材・文/松永怜