畑野ひろ子さんは、夫で元サッカー選手の鈴木啓太さんと結婚後、食生活や運動習慣がガラリと変わったそうで…。家族で運動がブームというプライベートについて伺いました。(全4回中の3回)

「毎食小鉢を7~8個」1日中キッチンで過ごした日々

── アスリートの旦那さんと結婚されて生活が一変したそうですね。

 

畑野さん:食事の用意は本当に大変です。夫はサッカー選手を引退して数年経ちますが、現役のときは毎回の食事でコンディションが変わると言ってもいいくらい、夫も食事に気をつかいますし、私もそれについていかなきゃと必死でした。

 

畑野ひろ子さん
ピラティス中の畑野さん「見惚れるほどの美脚!」

私は元々料理をするタイプではなかったので、夫と結婚してから、アスリート食やどういう献立を作っていくか勉強しました。夫からも、「これとこれを一緒に摂りたい」というふうに教えてもらって。栄養バランスを考えてメニューを考えるというのは、これまで料理をしていない私からすると未知の世界でした。

 

私は「たんぱく質なら肉か魚、どっちかでいいよね」と思っても、夫からすると「肉と魚、豆と、それぞれ違う」という認識でしたし、「毎食、小鉢を7〜8個作ってほしい」と言われました。

 

── 毎食ですか!

 

畑野さん:慣れるまでは、ほぼ1日キッチンにいましたね。当時、長女は保育園に通っていて次女は生まれる前から生まれてすぐくらいの頃で、子育てもまだまだ手がかかる時期でした。朝のうちにできるだけ下ごしらえをして、長女を送ったらすぐにキッチンにいました。今は、もう同じことはできないですね。スーパーに行って買い物をするだけでは食材がたりないので、宅配も頼んでいました。

 

── 大変すぎます…。

 

畑野さん:実は何度も泣きました(笑)。負けず嫌いなので、何事も納得いくまでしたいタイプなんです。「よし、今日はこの7品、完璧なバランスかも!」と思っていざ食事を出すと夫から「これとこれはダメだね。味つけのベースも一緒だし」と言われることがしょっちゅうあって。もう、めちゃくちゃ悔しくて涙が頬をツーって。「一生懸命作ってくれたのはわかるし、申し訳ないけど言わないと伝わらないから言うね」とは言ってくれるんですが、「この味つけは、次はない」ということも、はっきり言われました。

 

── 毎食、審査をされているようでハラハラです。

 

畑野さん:ほんとですね(笑)。アスリートにとっていかに食事が大事かというのは常に言われていました。私自身もモデルとして体型維持のために食事には気をつけていると言ってきましたけど、アスリートに比べたら気をつけていると言うのが申し訳ないくらい。

 

私は、やせるためにとにかく低カロリーな食事を意識していました。特に10代、20代は体を痛めつけてしまったなって。夫と出会った時に「こんな食事をしてよくこれまで生きてこれたね」って言われたんです。体はひと口、ひと口でできていて、栄養素のバランスを考えることの大切さは、あの時に知れて本当によかったと、今ではありがたい気持ちでいっぱいです。

 

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撮影終わりにクレープを購入した畑野さん「好きなものも楽しんで、あとから調整します!」

今でも好きなものを食べますが、やっぱりバランスのことを考えて、1食バランスが崩れたら次の食事で補うようにしようというのは常に頭にありますね。

夫の影響で「家族で運動ブーム」

── 運動はどんなことをしていますか。

 

畑野さん:夫は引退しても体を動かしていて、最近はランニングにハマっているのですが、どんなに遅く帰ってきても次の日、仕事前の朝5時に起きて走っています。夫の姿を見ていると、「私もウォーキングしてみようかな」と思うようになって、30分くらい歩いています。50代手前になって更年期がチラチラと浮かぶ年齢でもありますしね。

 

長女はダンスをしているのですが、私たちの様子を見たからか、突然「基礎体力をあげたい」と言い出して。それを聞いたパパが、「それ、絶対走ったほうがいいよ」とアドバイスしたら、知らない間に「30分走ってきた」なんてことも。運動はもはや家族のブームです。

 

夫は仕事のこともあって常に健康について考えているので、家族の会話の中で有酸素運動というような言葉がよく出てくるんです。そして、家族がそれにコントロールされていく感じです(笑)。

 

── 体を動かすことが家族のブームとは、素敵すぎます。

 

畑野さん:夫は「思った時からするべき」と言うんですが、運動はいつから始めても遅くないと思います。私も体を動かすことは好きなので、ジムに行ったり走ったりしていたのですが、最近またピラティスにハマっているんです。

 

アウターだけではなくインナーの筋肉をしっかりつけて、これから50代、60代と体の変化がしていく中で、年齢を重ねても姿勢や見え方が美しくありたいなと思っています。自分に合う運動の仕方を探して見つける40代は大切な時期だと感じますね。体は正直ですし、体を動かした分は必ず自分に返ってくると思います。

 

PROFILE 畑野ひろ子さん

ファッション誌『JJ』の専属モデルを経て、テレビドラマ、映画、CMなどに出演。その後ファッション誌『CLASSY』のレギュラーモデルを努め、結婚、出産。二児の母となり、ファッション誌『VERY』、『STORY』にて活動しながら、お花の魅力を伝えるフラワーライフスタイルプロデューサーとして「WILL GARDEN」を設立。レッスンを行うほか、イベントやECサイトでの販売のサポートを手がける。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/畑野ひろ子