著書『ずぼらやせ!瞬食ダイエットつくりおき&スピード10分おかず152』でも話題の保健師・ダイエット講師の松田リエさん。提唱する「食べるダイエット」で自身も大幅な減量に成功、リバウンドもなかったと言います。

基礎代謝量を下げない食事に必要な2つの栄養素

── 松田さんが提唱する「食べるダイエット」とはどんな食事法ですか?

 

松田さん:根本的なやせ体質に変えるための食事法です。私が提唱しているのは、3食の食事内容によって基礎代謝量を下げないようにすること。そのために大事な栄養素が2つあり、私は「2大やせ栄養素」と呼んでいます。

 

──「2大やせ栄養素」とはズバリ何ですか?

 

松田さん:たんぱく質とビタミンB群です。この2つをセットで摂ることで基礎代謝量を上げることができます。どちらも体に溜めておくことができない栄養素なので、毎食意識して摂ることが重要です。

脂肪が燃えやすい体に変わる食事のポイント

── どうして「たんぱく質」を摂るとやせられるのでしょうか?

 

松田さん:誰でも加齢によって筋肉量が減り、細胞が老化して基礎代謝量がダウンします。男性にくらべて女性は筋肉がつきにくいため、運動よりもたんぱく質摂取で筋肉を維持するのが得策なんですよ。

 

女性は30歳を過ぎると1年で筋肉が1%減っていくと言われています。体重の約20%を占めるたんぱく質は筋肉、骨、臓器の主成分ですが、不足すると筋肉の分解をまねきます。すると、筋肉が減って糖の代謝が悪くなり、残った糖が脂肪に変換されます。逆に、しっかりたんぱく質を摂れば筋肉量は維持され、食後に体温があがり、脂肪が燃えやすい体になります。

 

── では「ビタミンB群」が必要なのはなぜでしょう?

 

松田さん:ビタミンB群はたんぱく質の代謝を助けるエンジンのような役割を果たしてくれます。人間の体に不可欠な三大栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質には、体をつくる、体を動かすといった重要な役割がありますが、代謝が滞るとカロリーが余って体脂肪に変わる仕組みになっています。

 

そこで頼りになるのがビタミンB群。やせ体質づくりに欠かせないたんぱく質と一緒に摂ることで代謝がよりスムーズになります。

 

── 食べるダイエットの注意点があれば教えてください。

 

松田さん:毎食、たんぱく質とビタミンB群をセットで摂ることです。2大やせ栄養素はどちらも、体に溜め込むことができません。

 

たんぱく質は、肉や魚などの動物性と豆類や豆腐などの植物性をバランスよく摂るのが大事。1食あたりのたんぱく質量は20gが目安です。片手のひらに乗る量を意識してください。食事の時間が6時間以上空くと筋肉の分解が始まるといわれているので、おやつでチーズや豆乳を取り入れるのもおすすめ。

 

水に溶けやすいビタミンB群は、一度にたくさん摂取しても必要のない分は尿に排泄されます。こちらも毎食、たんぱく質とビタミンB群をコンスタントに摂るのが大切です。

 

PROFILE 松田リエさん

看護師・保健師・ダイエット講師。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育や糖尿病患者などへの保健指導を行う。自身が食事改善だけで12kgやせた経験を活かし、食べやせダイエット専門講師として起業。受講生2500名以上の減量を成功に導く。最新刊『ずぼらやせ!瞬食ダイエット つくりおき&スピード10分おかず152』(主婦と生活社)が好評発売中。