食事制限やハードな運動をせずに、3食ちゃんと食べるだけで痩せる「瞬食ダイエット」。20代~70代まで2500人以上がこの食事法で痩せられたと話題です!提唱者の保健師・ダイエット講師の松田リエさんに話を伺います。

極端な食事制限はかえって負のスパイラルに?

── 「痩せよう」と思った時に、まずはカロリー摂取を控える方法が思い浮かびますが…この方法はダイエットには逆効果なのでしょうか?

 

松田さん:極端に食事の量を減らすと、必要な栄養素までたりなくなり、脳が飢餓状態だと判断します。エネルギーを節約し、脂肪を溜めこみやすくするほか、筋肉量が減ることで基礎代謝も低下。太りやすく、やせにくい体に変化するリスクがあるんです。負のスパイラルに陥り、何年もダイエット生活を続けている人がたくさんいらっしゃいます。

 

同様に、過度な糖質オフダイエットは筋肉量を減らし、体内の水分量も低下させるため、きれいにやせることができません。

 

── 松田さんもカロリー制限ダイエットで失敗したことがあるそうですね。

 

松田さん:はい!私も体重を減らすなら食べないのが手っ取り早いと思っていた時期がありました。1日3食、低カロリーのダイエットシェイクだけを飲み、空腹感につねにさいなまれ、眠くてだるい…。体に必要な栄養素までたりなくなり、髪や肌はボロボロ。冬は暖房が効いていても、手と足にしもやけができるほど体が冷えきってしまい。ダイエットどころではありませんでした(苦笑)。

運動でやせるのは効率的でないわけ

 ── トレーニングなどの運動を頑張って減量を目指すダイエットも効果がないのでしょうか?

 

松田さん:1日のエネルギー消費量の内訳は3つに区分され、いちばん大きな割合約60%を占めるのが基礎代謝量です。基礎代謝量とは体温維持や呼吸など、生きるために最低限必要なエネルギー量で、まったく動かない状態でも勝手に消費されるエネルギーのこと。

 

そのほか、食事をすることで消費されるエネルギーが約10%。体を動かすことで消費されるエネルギーは約30%に過ぎませんが、その内訳は「家事や仕事など日常生活」による消費が大半で、意識的な運動で消費されるエネルギーはさらにごくわずかです。つまり、運動でやせようとするのは非常に効率が悪いことなんです。

 

── でも、ハードな運動で汗をかいて体重が減ることはありますよね?

 

松田さん:運動して一時的に体重が減るのは汗で水分が抜けただけで、根本的にやせているわけではないんです。

 

── 松田さんは運動でのダイエットも経験済みですか?

 

松田さん:はい。私自身、運動はもともと大嫌い(笑)。1時間のウォーキングや10kmのランニングなど、ハードなダイエットにも挑戦しましたが、長続きしませんでし、ジムの帰りにご褒美であんまんを食べてしまって。「糖分で血糖値が急上昇すると興奮状態になって、また食べたくなる→甘いものでお腹を満たしてしまうから、栄養バランスが偏り、代謝に必要な栄養素が不足して太る→運動する」の連続。意味のないことを繰り返していました。

 

── そんな松田さんが、 「食べるダイエット」でなぜ12kgもやせられたのでしょうか?

 

松田さん:先ほど、1日の消費エネルギーの中でいちばん大きな割合、全体の60%を占めるのが基礎代謝量とお話しましたよね。根本的なやせ体質に改善して、一生太らない体にする方法は、「基礎代謝量」を上げることなんです。誰でも、加齢により筋肉量が減り、細胞が老化すると基礎代謝量はダウンします。脂肪を燃焼する効率が悪くなるため、年を重ねるごとに太りやすくなります。

 

基礎代謝量を下げないための食事に欠かせないのがたんぱく質とビタミンB群です。これらを毎食セットで摂取するように意識すると、食べてもやせやすい体質に変わりますよ。

 

PROFILE 松田リエさん

松田リエ

看護師・保健師・ダイエット講師。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育や糖尿病患者などへの保健指導を行う。自身が食事改善だけで12kgやせた経験を活かし、食べやせダイエット専門講師として起業。受講生2500名以上の減量を成功に導く。最新刊『ずぼらやせ!瞬食ダイエット つくりおき&スピード10分おかず152』(主婦と生活社)が好評発売中。