2011年に加藤茶さんと結婚した加藤綾菜さん。子どもについて両親と話したことや周りからの声で考えたこともあったと言います。(全5回中の3回)

綾ちゃんは子どもがいないから

── 2011年に結婚されたとき、旦那さんが68歳、綾菜さんは23歳でした。子どもについてどのように考えていましたか。

 

綾菜さん:子どもは欲しいと思っていたし、結婚したら自然とできるものだと思っていたんです。でも、加トちゃんが病気を患って入退院もしていたし、不妊治療も迷いましたが、70代でこれから20年間子どもの責任を負わせるのは可哀想すぎると思って。それなら加トちゃんを大事にしたほうがいい人生を送れるだろうと切り替えました。

 

── ご両親にもお話しされたそうですね。

 

綾菜さん:周りの友達の出産が続くときってあるじゃないですか。あれ?私だけどうして…って思うような。そのとき両親に「私の子、見たい…?」と聞いたら、「まぁ、いたら嬉しいけど別におらんでもいいよ。綾がちゃんと生きてるだけで幸せじゃけ。変に加トちゃんに負担をかけるくらいだったら、世界で一番加トちゃんを大事にしていき」って言ってくれましたね。

 

ただ、周りの子から何げない言葉を言われて、傷ついたときもあるにはありました。「綾ちゃんは子どもがいないから、ずっと子どもの感覚で生きていていいね。母になったら強くならないといけないから、綾ちゃん楽だからいいね」といったことを言われたときに、子どもがいる、いないでそんなこと言われるんだって1年くらいモヤモヤとしていて。でも、いつの間にか忘れていたような気もします。

 

── 時間と共に。

 

綾菜さん:自分の愛情が加トちゃんに120%向いてるので。結婚したときからいろいろ覚悟もしたし、こういう人生もアリだなって思ったんです。あと、加トちゃんがたまに言ってくれるんですよ。生まれ変わっても一緒になろうねって。生まれ変わったときに歳が近かったら子どもを作ればいいねって、スケールを大きく考えたんです。だから今はそういう時期じゃないねって夫婦で話し合って納得したというか。あとは友達がいるからいいかとか、もし子どもがいても芸能人の子どもだと大変だろうとか、自分でもいろいろと思い込んだ部分もありますが、今は穏やかに過ごしています。

豚カツを食べさせて殺そうとしている!

加藤綾菜

── ところで食事に関して、旦那さんの偏食で苦労されたそうですね。

 

綾菜さん:加トちゃんの好き嫌いの多さは想像以上でした。焼肉やラーメン、豚カツなど自分が好きなものは食べますが、魚や野菜はまったく手をつけない。それでもしばらくは栄養を考えてバランスのいい食事を作っていましたが、頑なに食べてもらえないので、次第に私も加トちゃんが食べてくれたらいいかと思い始めて、加トちゃんが好きなものばかり作るようになっていたんです。

 

ところがある日、加トちゃんが自分のブログに「今日の晩御飯」と、私が作った豚カツの写真を載せたことがあったんです。ちょうど結婚して45歳差婚でパッシングを受けている最中だったこともあり、ブログにアップするや否や「こんな高カロリーなものばかり高齢者に食べさせるなんて!」「豚カツを食べさせて殺そうとしている!」とすぐに叩かれました。

 

ただ、最初はショックを受けたものの、この件がなければ加トちゃんが好きなものばかり作り続けていたので、私の意識が変わるきっかけになったのはたしかです。

 

また、結婚して3年目に加トちゃんがパーキンソン症候群を患いました。食生活が理由かどうかはわかりませんが、そこからさらに食事に対して意識が変わり、料理教室にも通ったし、どうしたら魚も野菜も食べてもらえるか、研究していきました。

 

── 幼児向けのレシピも参考にされたとか。

 

綾菜さん:野菜を刻んでバレないようにハンバーグに入れたり、ソースに入れたり。できるだけ野菜とわからずに食べてもらって、少し舌が慣れてきたら、カレーにちょっと野菜を入れてみるとか。元々、野菜はトマト以外全部ダメでしたが、今はピーマン以外全部食べられます。魚も骨があるから嫌いと言われましたが、骨も全部抜いて魚も食べるようになりました。

 

── 大人になってから食も変化するのですね。

 

綾菜さん:時間はかなりかかりましたが、今はだいぶ変わりましたね。魚も野菜も今は美味しいって言ってくれるようになって、このまま元気でいてもらえたら嬉しいですね。

パジャマ以外はクリーニング

加藤綾菜

── 同棲を経て結婚されましたが、あらためて生活を共にして気づいたことはありますか。

 

綾菜さん:すごく几帳面だなって思います。歯磨き粉はチューブの末端から絞って使う、スーツケースにものを詰めるときも、衣装、下着、靴下、などなど、ジャンル別にポーチを分けてピシッと入れるし、家のシャンプーやリンス、ボディソープは床に並べて横並びに綺麗に置いて、量もしっかり覚えています。

 

美意識も高くて眉毛の手入れは欠かさないし、爪の手入れや美容院は週に1回は行ってますね。でも人に強要しないので自分だけ几帳面な感じ。歯磨き粉の使い方以外、何も言われないです。

 

あと、加トちゃん、パジャマ以外なんでもクリーニングに出してたんです。インナーのタンクトップも靴下もすべてクリーニング。一緒に住み始めてから、こういうのは洗濯機で洗ったほうがお金もかからなくていいよって教えてあげたら、すごく喜んでくれました。今まで付き人の方が全部やっていたので、普通のことを教えてあげるとすごく喜ばれます。

 

── 家事分担はありますか?

 

綾菜さん:ほぼ私ですね。23歳で結婚して、当時は若かったし夫婦ってそういうもんなのかなって思ってたんです。

 

今は、半年に1回くらい加トちゃんが洗濯物を取り込んでくれることもあります。雨が降ってきたとき、私が外にいて加トちゃんが家にいたらお願いするとやってくれます。取り込んで、綺麗にたたんでくれますね。ただ、私が言わないといっさいやらないですが、楽なのは、やれやれ言われないので、自分のペースでできるからいいですね。そのあたりの相性も良かったと思います。

 

PROFILE 加藤綾菜さん

1988年生まれ。広島県出身。2011年加藤茶と結婚し、45歳差の夫婦としても話題。

 

取材・文/松永怜