家族でハワイに移住し、コロナ禍で帰国したモデルのSHIHOさん。現在、オフの日は日本の各地を回っているそうです。生まれ育った故郷の滋賀県の魅力についてもお話を伺いました。(全3回中の3回)
ハワイは1年中、季節が夏だったけれど
── ハワイでは海や山など自然に触れて過ごすことが多かったそうですが、帰国後はどうオフの日を過ごされていますか。
SHIHOさん:日本は田舎にいい場所がたくさんあるので、地方へ国内旅行に行くことが多いです。ハワイでオンオフを切り替えて、自然と触れながら自分のメンテナンスをする大切さを学んだので、帰国してからも仕事以外の時間は自然に触れる機会に恵まれるよう、意識的に大事にするようになりました。
── 例えばどんなところに行くんですか。
SHIHOさん:北海道、新潟、長野、石川、福井…、関西や瀬戸内海、九州も。他もいろいろありますが、すべて帰国してから行った場所です。
日本はやっぱり季節の移り変わりがいいですね。ハワイは一年中、季節がほぼ一緒なので、余計にそう感じるのかもしれません。それにどこへ行っても食事がとても繊細で美味しいです。ひとつひとつにこだわりを感じます。
── ハワイではどんな食事をされていましたか。
SHIHOさん:なんだか現地では日本食がおいしく作れないんですよね。おそらく水の違いだと思うのですが、煮物を作っても何かが違うんです。なので、向こうは野菜やフルーツ、魚介が美味しいのでそういったものをたくさんいただいていました。お肉やお魚を焼いて野菜を蒸して、あとはパスタとか。全体的に洋食が多かったです。
── やはりその土地のものをその場所でいただくのがいちばん美味しいといいますよね。
SHIHOさん:土地によって美味しく感じるものが違うんだなと思いました。ハワイでは毎朝、スムージーをよく飲んでいました。フルーツと野菜、カカオやスーパーフード系を入れて。でも日本にいるとやっぱり朝は和食がいいですね。おにぎりや、味噌汁にお漬物、納豆など和朝食が美味しく感じます。
出身地・滋賀県でおすすめしたい2つの場所
── 出身地、滋賀県の国際親善大使をつとめていらっしゃいますが、滋賀県のおすすめの場所はどこですか。
SHIHOさん:滋賀といったら山と湖だと思うのですが、山から湖を一望できる景色でおすすめのところが2つあります。ひとつは比叡山延暦寺。宿泊できる施設があるので年末年始はよくここで過ごしているのですが、東に面していて素晴らしい朝陽を見ることができます。
湖を挟んで向こう側の山から朝陽が登って、その光が湖に反射する光景は、それはそれは素晴らしいです。比叡山は標高848mあるのですが、ゲートを越えて登ってくるたびに空気感が変わって、すごく神聖な気持ちになります。
もうひとつは、壮大な景色を楽しめる観光スポット、びわ湖テラスです。ロープウェーで山頂に着くと、琵琶湖が一望できます。その反対側は見渡す限り森林。
大きく広い琵琶湖を一望できるだけでなく、子どもが遊べるアスレチックなどもあり、ベッドソファも置いてあるので空を見上げながら寝転ぶこともできて。まさに天空という感じで、こんな場所は他にないです。私がとても大好きで、すごくおすすめの場所です。
── 地元で生活していたときにも行かれていた場所でしたか?
SHIHOさん:比叡山延暦寺は3歳頃に母と一緒に行ったのを写真で知りました。でも記憶にある範囲では地元にいたときは行っていないんです。
ハワイに住むようになって改めて日本のよさや地元のよさを見直すことができましたし、知れば知るほど、もっと深掘りしたくなっています。そこから仏教や禅の世界にも興味を持ち始めて、今勉強しているところです。
地元には学生の途中までしかいなかったので、当時は目の前の生活のことだけでした。田舎の暮らしをしている田舎の子という感じで、そこまで深く何かを考えたこともなかったです。「モデルになったら?」という母のひと言で扉が開いたのですが、私が単純な性格だったのもありますが、仕事を始めてからはそれ一色になってしまって。
ハワイでの生活が心地よく感じたのは、幼少期に大自然が広がる田舎で暮らしていたのがベースにあったからだと思います。日本に戻ってきた今も、自然豊かな場所が人が暮らしていくなかで必要不可欠だということを感じますし、あらためて感動する地元の魅力も多いですね。
── 次に住んでみたい場所はありますか。
SHIHOさん:地元の滋賀には湖があって、ハワイには海がありましたし、目の前に海や森林など自然が広がる場所に住みたいですね。
夫は仕事場があるアジアにしか目が向いていなく、娘はアメリカのことしか頭にないですし、どうなりますかね、うち(笑)。本当に家族みんなそれぞれで、私もそうなのですが家族のなかではわりとまとめ役なので、うーん、日本かなというところですね。
── 間をとって(笑)。
SHIHOさん:それぞれが自分らしく楽しめて、バランスが取れているのが大事かなと思っています。
── これから取り組んでいきたいことを教えてください。
SHIHOさん:どんなときも人の役に立つことをしていたくて、そのなかで私にしかできないことはなんだろうと常に考えています。20代の頃はモデルであることを突き詰めていたのですが、結婚をし、子どもを産んだこともあり、仕事をする目的がだんだんと変わってきました。これまで積み上げてきたことや、今ある環境を活かすような取り組み、自分が持っている環境で何を返せるか、自分にたりないものは学びを積み重ねたいと思っています。
モデルの仕事は美容と健康にすごく気を使うのですが、女性にとっても人としても誰もが興味深い分野ですよね。私なりに30年間、そこに関して追求し続けているので、そこから提案できることってなんだろうと考えたり。韓国でも10年間、お仕事をさせてもらっているなかで、日本にはない良さやそのなかでの出会いやご縁もあるので、何か繋げていくことをしていきたいですね。
PROFILE SHIHOさん
モデルとしてファッション雑誌・テレビ・ラジオ・CM・プロデュース・出版など幅広く活躍し、心身が健康で美しくなるウェルビーイングな暮らしを提案。ヨガDVD本 『SHIHO loves YOGA〜おうちヨガ〜』、『トリニティスリム"全身やせ "ストレッチ』は、シリーズ累計40万部を突破。比叡山延暦寺など各地で瞑想リトリートツアー等のイベントを企画・開催。滋賀国際親善大使。全米ヨガアライアンス認定講師。Wellness AWARD of the Year 2019受賞。
取材・文/内橋明日香 写真提供/SHIHO