娘想いの母親をもつ心優しい主人公。一見その親子関係は穏やかなようにも見えますが、互いが相手を思いやっているからこそ向き合えないこともしばしば。
「毒親」「自立」「恋愛」など、今の時代をとりまく題材をテーマにした、福々ちえさんの贈る漫画『息苦しいほど優しいママと逃げたい娘のお話』が話題です。
【第71話】「私が諦めたことは全部この子に」その発想が独りよがりだったのかも
母が娘に、自身の幸せや価値観についてめずらしく語ってくれました。
母の幼い頃は、しつけに体罰があったり、「男だから」「女だから」という価値観がまだまだ残っていたり、生きづらいこともたくさんあったそう。だからこそ私が生まれたときには、「私があきらめたこと全部この子にはやってあげよう」と思ったのだと言います。
母からの過干渉は、私を縛りつけたかったのでなく、「誰よりも幸せな子にしてあげよう」と思ってのことだったようだ。
「今になって考えれば…それも独りよがりだったわよね。『幸せ』が何か分かってないのにね…」
これまでを振り返りながら、母は娘の前でそうつぶやくのでした。
作/福々ちえ