子どもと出かけていると、知らない人から話しかけられる機会って多いですよね。偶然の出会いに救われた経験を持つ人も多いかもしれません。インスタグラムフォロワー8.5万人のほかほか命さん(@hokahokainochi)が描いたある出会いが「泣ける」「素敵!」と話題になっています。

陽気なマダムがあらわれた!?

それは、ほかほか命さんが息子のはるくんを保育園にお迎えに行き、薬局に寄ったときのことでした。

 

用事を済ませて帰ろうとすると、はるくんは自転車に乗るのを渋り始めます。これは困った…そう思っていると、ある人物が声をかけてきます。

 

その人物とは「とってもかわいい子がいるわぁー!?お名前なんて言うの!?」と、笑顔が素敵な陽気なマダム!

 

マダムは「急にごめんなさいね、うちの孫は独立しちゃってて、こんな頃が本当に懐かしいのよ~」と断りながら、はるくんとほかほか命さんとおしゃべりを始めました。

 

年齢を尋ねられたはるくんが「にさい」と答えると、マダムは「お返事できてエライわぁ!」と。ほかほか命さんが「外出するたび、なかなか帰れなくて」と言えば、「外が好きなのね?健康な証拠!」と褒めてくれます。

 

はるくんが地面に虫を見つけて「むし!」と言えば、「好奇心旺盛ね!賢い証拠!」とすべてポジティブに変換してくれるマダム、最高すぎる…!

 

褒め上手なマダムにはるくんも心を開いたのか、「ヘルメットも似合ってる!もしかして自転車座れるのかしら!」と言われて「うん!」と得意げに返事をします。

 

なんと、はるくんはさっきまで乗るのを拒んでいた自転車に素直に乗車。無事に帰途につけたほかほか命さんは、背後にマダムの「またねー!!」を聞きながら、感謝を噛み締めたのでした。

子どもを見ているようで、実はママのことを…

ほかほか命さんは、このマダムに救われたそうで…。

 

「この日に限らず、2歳になりたての時期は出かけるとなかなかスムーズに帰れるよう促すことができなくて、結局いつも泣いて暴れる我が子をなかば無理やり車や自転車に乗せて、泣き声を聞きながら帰る毎日だったので、マダムの存在はとにかくありがたかったです」

 

なお、漫画では枚数などの兼ね合いで省いたそうですが、マダム自身が子育てをしていたとき、「とにかく余裕がなくて辛いと思いながら育児をしていた、孫ができてわかったけどもっと素直にかわいがってあげればよかった」と話していたのだそう。

 

「マダムは我が子を見てくれているようで、私のことをとても気にかけてくれているように感じました。助けてくれる人はいるか、大変よね、大丈夫よこんないい子に育ってるわよ。そんな優しさを感じたと同時に、自分が育児していたときに言われたかったことや言ってあげたかった言葉をくれているんだと思い、とても温かい気持ちになりました。

 

ただ明るいのではなく、相手のバッググラウンドを想像し配慮して丁寧に言葉を選んでくださる姿がとても素敵に感じます」

 

マダムは、ただはるくんがかわいくて話しかけただけではなく、困っているほかほか命さんのために帰宅をうながす声かけを考えてくれていたのかもしれません。

 

ほかほか命さんの人生の目標のひとつが「チャーミングなおばあちゃんになること」で、このマダムも目標のひとりとなったのだそう。

 

この出会いから、心のなかにマダムに住んでもらって、育児中困ったことがあったときにはマダムのようにポジティブに変換しているといいます。

 

「『そうだった、はるくんは好奇心旺盛だもんね!!賢お~~!!』と声をかけたり、何かに集中して帰れなくても『今まさにメキメキ脳が育っているのよ!』と、心のマダムが私に話しかけてくれています(笑)。ですが、すぐいっぱいいっぱいになってしまって、まだまだマダムへの道は長そうです…」

 

育児中は毎日へとへとで、煮詰まってしまうことも多いもの。通りすがりの人の優しさが嬉しくて、それだけで救われたりするんですよね。もし同じように困っている人を見かけたら、マダムのように声をかけられる人になれたら素敵ですね。


取材・文/阿部祐子