2人の娘を育てるパパの日常を漫画に描いているゆーぱぱさん(@yuupapa.ikuji04)。SNSでは、娘さんたちの予測不可能な珍発言がおもしろすぎると話題になっています。今回はそのなかでも、特に反響が大きかったエピソードについて聞きました。

「給食何食べた?」何げなく聞いたら

次女のつむちゃんが2歳の頃、ゆーぱぱさんがつむちゃんを保育園に迎えにいったときのこと。帰宅途中「今日は給食で何食べたの?」と聞いたところ、つむちゃんは「セミ」とひとこと。ゆーぱぱさんは、それを聞いて「えーーー!!!」と心のなかでツッコミの嵐だったそう!

 

──「セミ」とはなかなか衝撃ですね!

 

ゆーぱぱさん:保育園の先生から給食をたくさん食べたと聞いたので、何となしに尋ねただけだったのですが、想像のはるか斜め上をいく回答に意表をつかれました(笑)。

 

ちなみに、後で献立表で確認したところ、カレーとか唐揚げとかごくごく普通のメニューでした。

 

ゆーぱぱさん
「今日は給食何食べたの?」にまさかの回答!

子どもの気持ちは決めつけない

──「唐揚げがセミに見えたのかな?」など、いろんな想像が膨らんできてしまいますが、つむちゃんが「セミ」と答えた理由はなんだったのでしょうか?

 

ゆーぱぱ:どうなんでしょうか。その後次女に理由を聞いたりはしていないので、謎はずっと謎のままです(笑)。

 

というのも、娘たちの心情を勝手に想像して断定しないように普段から意識しているんです。これは漫画を描くときもそうなのですが、子どもたちの気持ちは子どもたち本人にしかわからないので、決してこういう意図でやったんだろうな、と親が勝手に決めつけたりはしたくないなと思っています。

 

── 確かに漫画のなかでも、娘さんたちの心情を決めつけるような描写はありませんね。

 

ゆーぱぱさん:漫画では娘のおもしろ発言の意図を描くのではなく、あくまで娘の言動に対する僕の反応を描くというスタンスを守っています。

 

なのでセミの話のときも、なぜ娘がセミと答えたのかを追求するのではなくて、僕と娘の会話のやりとりを、ただ客観的に描いただけの構成になっているんですね。これはセミの話の漫画だけでなく、僕の漫画すべてにおいて意識しています。

 

── 4歳のときの次女つむちゃんから、通りすがりの人に対して「かわいい女だなぁ」というワードが発せられたエピソードも衝撃でした!

 

ゆーぱぱさん:この頃は次女が通りすがりの人に興味をもっていた時期だったんですけど、突然男性に対してはかっこいい、女性に対してはかわいいと言うようになったんです。

 

そもそも僕や妻も日常で男とか女とかいう言葉を使うことがあまりないので、どこからそのボキャブラリーが出てきたのか謎だったのですが、このエピソードの真相も、もちろん今に至るまで謎のままです(笑)。

 

ゆーぱぱさん
そのボキャブラリーはどこから!?次女の「かわいい女だなぁ…」発言

── 娘さんたちもゆーぱぱさんの漫画を読むことはありますか?

 

ゆーぱぱさん:​はい、2人とも楽しんでみてくれているようです。育児漫画は、もともと日記を書くような感じで、子どもたちの成長を記録として残したいと言う思いもあって描きはじめたので、子どもたちが大人になってから、「こんなことあったっけ~」と笑ったり、純粋に懐かしむことができるような漫画をこれからも綴っていけたらと思っています。

成長を見守るのが喜び

── まだ小さい娘さんたちのことを、ひとりの「個」としてしっかりと尊重しているのが伝わってきますが、日頃からそうしたことは意識していますか?

 

ゆーぱぱさん:そうですね。親なので、何か教えたりときに叱ったりすることはもちろん必要ですが、普段はなるべく子どもたちの考えを尊重して同じ目線でいたいなと思っています。

 

── 具体的に心がけていることはありますか?

 

ゆーぱぱさん:日常のなかでもできるだけ尊敬できるポイントを探して、褒めるようにしています。たとえば長女は運動神経がよくて、ダンスをキレッキレで踊るんです。僕は全然運動ができないので、「本当すごいね、パパはそれできないわ〜!」と口に出して伝えるようにしています。というより自然と口から出てしまっています(笑)。ほんと驚きと感動の連続なんですよね。

 

次女の場合はパズルが得意で、一度やりはじめるとすごく集中してやっているので、「すごいね!パパだったらすぐ諦めちゃうわ」と、友達を褒めるような感じで声をかけることが多いです。

 

── 父親という威厳を振りかざすのではなく、友達のように寄り添い、温かく見守るのがゆーぱぱさん流子育てなんですね。パパが育児を率先して行うことで得られる喜びややりがいはどんなところにあると思いますか?

 

ゆーぱぱさん:やっぱりひとりの人間の成長をいちばん近くで見守ることができるのが、何ものにも代え難い幸せです。

 

今は仕事がフルリモートで、以前より娘たちと接する時間が増えたので、ささいな成長を身近で見られるのがうれしいです。

 

PROFILE ゆーぱぱさん

小学2年生と幼稚園年少の娘をもつ2児のパパ。現在はフル在宅ワークで会社員をしながら、子育てにも奮闘中。パパ目線で描いた育児漫画が話題を呼び、育児漫画のweb連載を持つなど、漫画家としても活躍の場を広げている。Instagram @yuupapa.ikuji04 Twitter @too6mi

 

取材・文/上野真依 イラスト提供/ゆーぱぱ