家事は優先順位をつけて
── 仕事や日常生活でも車での移動が多いそうですね。
知花さん:運転も好きなのでまったく苦にならないです。最近のブームで、移動中にはアメリカのテレビドラマを耳で聞いているんですが、すごく楽しいです。車移動が増えたことで、ラジオもよく聞くようになりました。何かをしながらその動作を止めず、耳で聞くのが心地いいとわかって気に入っています。
── 移動時間も長くなると、家事の時間も限られてくると思いますが、どうやって仕事との両立をしていますか。
知花さん:全部を完璧にしようと思っても心が折れてしまうので、物事に優先順位をつけています。とりあえずここだけしていれば帰ってきたときにゲンナリしない、ということだけ最低限してから出かけています。
── 特に優先順位が高いものはなんでしょう。
知花さん:私はやっぱり、水回りですね。洗い物もそうですが、水回りは綺麗にしておきたいです。それに、リビングも帰ってきて散らかっているとゲンナリするので片づけますね。
子どものためにはおもちゃを広げたままにしておくのも大事なのかなと思うんですが、ママのメンタルヘルスも大切なので(笑)。
── おふたりの娘さんはどんなふうに成長されていますか。
知花さん:基本的に仲良しですが、ふたりとも気が強くて、よくケンカもしています。3歳の長女が、お姉さんになりたい気持ちと赤ちゃんになりたい気持ちの狭間で揺れていて。「お姉ちゃんでしょ」とはできるだけ言わず甘えさせてあげたいと思っているので、どうしたら心が解き放たれるか、試行錯誤しています。
打って変わって次女はマイペース。2人目が生まれてからのほうが親としての葛藤は多いかもしれません。きっといちばん可愛いときでもあるんでしょうけど、毎日大変。楽しくもありますがいつもバタバタしています。
── 娘さんたちの未来に願うことはなんでしょう。
知花さん:世界にはいろんな暮らしや文化があって。これが正解というものはないと思っているんです。娘たちには今見ているものがすべてではなくて、もっと世界は広いんだよというのを知ってほしいと思いますね。
── ミス・ユニバース世界大会でも活躍され、世界を見てきた知花さんならではの視点ですね。
知花さん:実際にその境遇に立ってみないとわからないことも多いと思いますが、子どもが悩んでいたらきっと親も葛藤すると思うんです。すぐに変化を与えてあげられないもどかしさもあると思います。でも、「こうじゃなきゃいけない」と理由を決めつけて苦しむ必要はないのかなって。
世界中には食べるものがなくて命を落としてしまう子もいるなかで、選択できる自由があるのはすごく贅沢なこと。どんなときにも選択肢は必ずいくつでもあると思うので、それを自分なりに探してほしいと思っています。
PROFILE 知花くららさん
1982年生まれ、沖縄県出身。上智大学卒。ファッション誌・TV・ラジオ・CMなどで活躍。2006年ミス・ユニバース世界大会準グランプリ受賞。元国連世界食糧計画(WFP)日本親善大使で、2022年まで約15年活動。2021年京都芸術大学建築学科卒業、2022年二級建築士試験に合格。2児の母。
取材・文/内橋明日香 写真提供/知花くらら