学び直しに大切な「夫婦のコミュニケーション」

── 社会人になっての学び直しと、妊娠・出産、子育て期を同じタイミングで取り組んでいらっしゃいました。旦那さんとの連携はどうされていましたか。

 

知花さん:夫の仕事も俳優業で育休などはないので、毎日、夫婦ふたりで綱渡り状態でした。「この日の、この時間はどうかな」「何時から何時までなら、オッケー。大丈夫!」って(笑)。

 

夫婦でどちらかが何かを始めたいときは、パートナーにも何がどう大変かをわかってもらえたらすごくいいなと。まずは夫婦のコミュニケーションを図ることが大切だと思いました。

 

知花くららさん
自宅近くの海辺を散歩する知花さん。抱っこ紐にいる娘さんの小さなおててが可愛い!

── 具体的にはどんなことを心がけていましたか。

 

知花さん:「ここはこうサポートしてほしいけど、どうかな」と、密なコミュニケーションができたらスムーズに進むと思います。

 

毎日暮らしに向き合って、家事育児をすることって、小さな試行錯誤を毎日重ねているように思うんです。それに対して仕事であまり家にいないほうがいきなり同じようにできるはずはないと思うので、そこのギャップは、コミュニケーションで埋めていくしかないと思っています。

 

それぞれのご家庭にペースがあると思うのですが、子育て中でも、子育てがひと段落したときでも、何より大切なのはパートナーとの話し合いができるかどうかだと感じました。

 

知花くららさん

── 素敵な心がけですね。旦那さんは知花さんの挑戦を応援してくれていましたか。

 

知花さん:今では笑い話なのですが、私が国家試験の前に、心折れてしまったときがあったんです。夫に「子どもとの時間も取れないし、みんなに負担をかけてしまって申し訳ない」と言って、思わず泣けてきてしまって。

 

でもそれに対して夫は「え、何をいまさら!」って笑っていました。「すごいことに挑戦しているし、純粋に応援したいと思っているよ。サポートは大変だけれど、娘たちが大きくなってママが頑張っていたことがわかったらいいんじゃないかな」って。それで私も落ち着いて、「わかった、もう少し頑張る」って(笑)。

 

家族のサポートがあって取得できた資格ですが、家族の絆もより深くなった気がしています。

 

PROFILE 知花くららさん

知花くららさん

1982年生まれ、沖縄県出身。上智大学卒。ファッション誌・TV・ラジオ・CMなどで活躍。2006年ミス・ユニバース世界大会準グランプリ受賞。元国連世界食糧計画(WFP)日本親善大使で、2022年まで約15年活動。2021年京都芸術大学建築学科卒業、2022年二級建築士試験に合格。2児の母。

取材・文/内橋明日香 写真提供/知花くらら