自分の大切なものを理解してもらえることの喜び

当時のお話を、なりたさんはこう振り返ります。

 

「マンガはわたしにとって、最高の楽しみであり、幼いころから私を支えてくれた心の支えでもあり、今は漫画家を志す私にとって、夢でもあります。なので、自分が子どものころに、(自分にとって)どんなにマンガが大切か親に説明しても理解してもらえなかったときは、『きっとわかってもらえないよな…私は成長していないな…』と、後ろ向きな考えが頭をよぎりました」

 

そんな考えとは裏腹に、子どもたちがなりたさんの気持ちを理解してくれた瞬間は「泣きそうに嬉しかった」のだとか。

 

「自分の大切なものを理解してもらえるってこんなに嬉しいんだ、と思い、夫や子ども、友人の大切なものも、絶対に否定せずに受け入れていきたいと思いました」

 

「わたしがわたしであるために、〇〇をしよう」という気持ちは、なかなか他人には理解されづらいもの。だからこそ、肯定してもらえたら嬉しいし、それがわが子だったなら喜びもひとしおです。

 

大切なものや必要なことは、人それぞれちがって当たり前。お互いを知り、認め合いながら生きていけたら、素敵ですね。

 

PROFILE なりたりえさん

家族(夫、7歳と6歳の娘)との日常や、日々思ったことを漫画ブログ「かぞくの絵日記帳」にて公開中。

 

取材・文/吉井菜子