6局共同の防災プロジェクトに志願

── そうした経験から、防災減災をテーマにしたプロジェクト担当に志願したそうですね。

 

狩野さん:在京の民放キー局とNHKの6局が、局の垣根を越え「ひとりでも多くの命を守る」という目標を持って手を携える、「#いのちともに守る」プロジェクトに、昨年から参加しています。

 

この春も共同の実施プログラムのほか、各局での番組などを準備しているところです。今はリモートでの交流ですが、防災に関して、みんなで同じ体験をする予定もあり、直接お会いして話が聞ける日が楽しみですね。

 

── 6局での交流機会は貴重でしょうし、違いや特色を考えることも多いのでは?

 

狩野さん:ご一緒しているのは、各局で帯番組や最前線で毎日ニュースを伝えている方々。最初は信じられないというか…リモート会議の画面を見ながら「私、今本当に、高瀬耕造アナ(NHK)や『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)の松尾由美子アナとつながってるの!?」と、完全に“一視聴者”の目線になっていました(笑)。

 

それに「テレビ東京さんは、どんなことを心がけて、防災意識を育む番組を?」と聞かれても、結局、口ごもってしまうばかりで…。テレビ東京の報道は、経済番組がメインです。他局のような、お天気コーナーが暮らしに密着した話題が中心で、気象予報士の方などが防災情報に頻繁に触れるような、情報系の報道番組がないんです。

 

制作している番組の本数や、ネット局の数といった規模もかなり違います。テレビ東京は系列局がないエリアの取材が困難なときもありますが、他局なら系列局が現地にあっても、東京の人間も現地に飛んで行くだけのマンパワーがある。規模によって、できることの違いは痛感せざるをえませんでした。

 

テレビ東京・狩野恵里アナウンサー
真面目なリモート会議中にも「今『狩野さん』って呼ばれたけど…私、伊藤利尋アナ(フジテレビ)に話しかけられた!?って(笑)」とテンションが上がってしまったと告白