テレビ東京の軸と「命を守る行動」を呼びかける使命

── 他局の話だからこそ、みなさん参考になることも多いかと思います。

 

狩野さん:すごく経験豊富な方々なので、「当時はこうでした」とか、「強い呼びかけになりすぎ、お叱りを受けたことも…」というリアルなお話は、非常に勉強になります。

 

命を守る行動の呼びかけも、注意報か警報かによって変わるため「この状況の場合、呼びかけのトーンは、みなさんどう意識しますか?」などは、同業者だから相談できます。

 

経験値の差はありますが、聞いたことから想像を膨らませ、自分ならどうするか、テレビ東京なら何ができるのかを考えますね。

 

── 各局で特色が出る部分も、ありますよね。

 

狩野さん:うちの部員ともよく話しますが、テレビ東京はやはり経済が軸です。防災減災について報じる際も、他局との差別化だけでなく「テレビ東京しての役割は何なのか?」を考えると、「企業の取り組みなどに軸を置きながら、やっていくのがいいのでは」という話になります。

 

── ひとりのアナウンサーとしては、どんなことを感じていますか?

 

狩野さん:意識の高い他局のみなさんの声を聞き、より身が引き締まる思いがあります。

 

いざ災害が起きたとき、私たち局に所属するアナウンサーだからこそ、命を守るための行動を呼びかける報道ができる。同じ立場にいるみなさんと真面目に話を重ねながら、局アナとしての使命を改めて感じています。

 

テレビ東京・狩野恵里アナウンサー

 

PROFILE   狩野恵里さん

1986年生まれ、東京都出身。2009年アナウンサーとしてテレビ東京に入社。『よじごじDays』『家、ついて行ってイイですか?』ほかに出演中。2016年レーサーの山本尚貴選手と結婚し、5歳の双子女児の母でもある。

 

取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩