「人生の忘れ物を拾いに」ロンドンへ短期留学

── いったんリセットしたい、と。

 

水野さん:どうせなら趣味のお菓子作りを本場で学んでみたいと事務所に意思を伝え、2年ほど待ってから「ル・コルドン・ブルー」のロンドン校に短期留学しました。

 

留学先をロンドンに決めたのは、語学留学を兼ねていたためです。短大時代、学校主催の留学の募集があり、本当はすごく行きたかったのですが、当時は事務所にレッスンを受けさせてもらっていて。そんな立場でそんなわがままは言えないと気持ちを封印したのですが、やはり心残りがありました。

 

ロンドン留学は私にとって、「人生の忘れ物を拾いに行く」ような感覚でしたね。

 

「ル・コルドン・ブルー」のロンドン校に短期留学した頃の水野さん

── 留学したことで、水野さんのなかでどんな変化がありましたか?

 

水野さん:わずか3か月でしたが、私のことを誰も知らない場所に飛び込んだことで、自分の無力さに気づき、恵まれた環境にいたんだと実感しました。

 

人生のなかで、いろいろなレンガを積み重ね、今の私がいるのだから、それを否定するのではなく、自分もキャリアも、もっと大切にしていかなくてはいけないなと。同時に、これまで俳優として育ててくださった方々のたくさんの思いも一緒に背負っていることに気づかされたんです。

 

小さな冒険をしたことで、仕事に向き合うマインドが変わりました。