地元・秋田との二拠点生活をスタート 海外市場も視野に入れ、活動の幅を広げていく

── 今後はどのような活動を展開していく予定ですか?新しくチャレンジしたいことを教えてください。

 

佐藤さん:2022年7月、結婚を機に拠点を地元に移し、秋田と東京の二拠点生活を始めました。今後は、秋田でもワークショップやイベントの開催を充実させていきたいと考えています。

 

また、今年は海外の催事に出展する機会もいただいたので、海外も視野に入れて活動を広げていきたいと思っています。

 

催事の様子
香港での催事の様子

── 少しずつ手まりの和が広がっているのですね。これまでの活動を通して、「手まりの魅力」をどのように感じていますか?

 

佐藤さん:手まりそのものの美しさはもちろんですが、手まりをきっかけに生まれる「人の縁」も魅力だと思います。

 

ワークショップやイベントなどでは、「手まりを見る、触れる」という目的のもと、たくさんの人が集います。リアルなコミュニケーションが希薄になってしまったコロナ禍だからこそ、人と人とが集うきっかけを作り、さまざまな感情に寄り添ってくれる手まりは、「装飾品」以上の価値があると感じています。

 

今後も「手まり」に関わる活動を幅広く手がけ、地域や年代問わず、自分好みの「マイ手まり」を持つ人が増えていってくれたら嬉しいです。

 

 

「手まりって素敵だな、文化を失くしたくないな」という純粋な思いに共感し、応援する人、協力する人が集い、活動の輪が広がっています。細く長い糸を巻きつけて美しい模様を描くように、佐藤さんの活動も、小さな努力を積み重ねながら大きな成果に結びついていくに違いありません。

 

PROFILE 佐藤裕佳さん

佐藤裕佳さん

秋田県由利本荘市出身。早稲田大学卒業後、WEBマーケティング会社を経て、東京・北千住にある「はれてまり工房」の館長に。現在は秋田と東京の二拠点生活を続けながら、イベントの企画・運営、商品開発などを通して日本の伝統工芸品である手まり文化を発信している。

 

取材・文/佐藤有香 写真提供/佐藤裕佳