女性騎手ならではの大変さについて語る赤見千尋さん
女性騎手ならではの大変さについて語る赤見さん

落馬の危険が常にあるので…

── 女性騎手は不利なことが多いですか?

 

赤見さん:筋力では男性騎手にはかないませんが、一方で最近、女性騎手に配慮したルール変更もありました。

 

女性騎手は無条件で2キロ減が適用されることになりました。

 

男性騎手より2キロ軽い負担重量で騎乗できるので、馬の負担を軽減しやすいというメリットがありますから、以前に比べて女性騎手は活動しやすくなったと思います。

 

女性騎手の活躍を後押ししたいという理由でのルール変更だと思います。

── ママさんでジョッキーをすることは難しいですか?

 

赤見さん:名古屋競馬場の宮下瞳さんというジョッキーは、妊娠出産で5年くらい引退していましたが、その後に免許を再び取得して、現在も活躍しています。

 

ただ、簡単ではないと思います。落馬の危険が常にあるので、妊娠中に騎乗することは難しいですし、出産後も体重の管理や、朝型の生活など、育児との両立は困難ですね。

 

現役時代の赤見千尋さん
現役時代の赤見さん

朝の2時に仕事が始まるので

── ジョッキーの結婚事情はどういうものですか?

 

赤見さん:みなさん職場結婚が多いですね。仕事が朝の2時から始まり、9時にはいったん終わり、昼ごろはゆっくりできますが、午後2時から作業が始まり、次の日のことを考えると夜の8時には寝なくてはいけません。

 

レース期間中は調整ルームに入って、外部との交信も遮断されますから、一般の生活をしている人との生活は難しいところがあります。

 

PROFILE 赤見千尋さん

あかみ・ちひろ。1978年、群馬県生まれ。高校卒業後、地方競馬教養センターを経て、’98年に高崎競馬場で初騎乗。2005年に引退後は、リポーター、解説者として活躍。漫画『優駿の門ASUMI』の原作者。早大卒。2児のママ。

取材・文・写真/CHANTO WEB NEWS 写真提供/赤見千尋