「話がある」教授から鹿肉イベントに待ったがかかり…

学祭で出品した鹿肉カツは大好評。手ごたえを感じていたところ「神戸ハーバーランドmosaicで鹿肉イベントを開かないか?」と声をかけられました。

 

神戸ハーバーランドといえば、大きな商業施設です。鹿肉のおいしさを伝えるとともに、鹿による獣害被害、9割廃棄の現実を知ってもらう機会だと張りきる毎日。

 

ところが、企画を練っているさなかに、森林保全の研究をしている教授から「イベントの件で話したいことがある」と呼び出しが…。

 

「教授からは、“獲った鹿の9割は廃棄と言うと、猟師さんに非があるように伝わってしまうと誤解を与えるので、注意が必要だ”と指摘されました。

 

実際、ひと言で“廃棄”と言っても、“捕獲した時点での廃棄”、“ジビエ処理施設における残渣(ざんさ・鹿が食肉に加工される際、食用にされず残ってしまう部分)の廃棄”、“加工後、売れ残りによる廃棄”と、定義はさまざまです。

 

あかりんごさんの企画は、どれを指しているのかさえあいまいでした。鹿の扱いについては、さまざまな立場の人たちが別の視点でとらえ、受け取り方も異なるうえ、廃棄にいたる理由も違います。

 

学祭で野生動物を販売したのはとても珍しかったそう

教授の話は厳しいけれど正論で力不足を突きつけられ、あかりんごさんは「自分は鹿肉に関わるべきではない」と落ちこみます。けれど、励みになったのが友人の言葉でした。

 

「“知識の面でいえば、あかりんごは教授にはかなわないかもしれない。でも、鹿肉に興味を抱いている大学生だからこそ、できることや伝えられることがあるんじゃないかな”と言われ、改めて自分のやりたいことに気づきました。

 

教授には“鹿肉のおいしさを伝えるために、もっと勉強します”と改めてお伝えしました。

 

その結果、教授はサークルの顧問に就任してくださいました。コロナ禍の影響もあり、活動を共にすることはできませんでしたが、思いが伝わり嬉しかったです」