「大型機械を持ち込んで」知られざる制作秘話
── 毎年の撮影が雪山で、となると大変なことも多そうです。
山口さん:東日本を応援するコンセプトなので、国内で秋に撮影していたのですが、GALA湯沢スキー場に氷を砕く機械を持っていき、氷を砕いて小さな雪面を作ったり、紅葉がバレないアングルを探ったりして撮っていました。
── まさか“雪作り”から始めていたとは!
山口さん:40トンくらいの氷を砕くのですが、それでも20メートル×20メートルくらいの雪面にしかならないんです。地面のあたたかさもあってすぐに溶けてしまうので、少し厚めに雪を盛る必要がありました。真上から撮影したり、下から撮ったりして、なるべく雪面が映らないように工夫をして、雪の中にいる雰囲気を出して。

── その後も“雪なし山”で撮影しているのですか。
山口さん:雪山を作るのがまず大変で、さすがに撮影が厳しいということになったので、海外でも撮影することになりました。何より広い画が撮れるのが魅力的でしたね。
今季のものは、12月の頭に北海道のキロロリゾートで撮っています。国内ならば日本で最初にオープンするスキー場。カナダも、いちばん早くオープンするところ、南半球のニュージーランドではいちばん遅くまで営業しているところで撮影してきました。
── ようやく“雪作り”からは解放されたわけですね。
山口さん:おかげさまで(笑)。でも、たしかに雪はあるのですが、標高が高いところは天気が安定しないという別の課題が出てきて。CMは数秒ずつカット割をして撮影するのですが、最初は晴れていても途中で曇ることも。それに日が落ちる時間も早いです。スタッフは日が昇る前に現場に行って、吹雪いたら中断して、日が落ちるギリギリまで撮影していました。
