「青春は純白だ。」「ぜんぶ雪のせいだ。」などの印象的なキャッチコピーと、ブレイク必至の若手俳優が登場するJR東日本のJR SKISKIキャンペーン。冬の風物詩とも言われる広告のキャッチコピーを2012年から担当し、CM制作の全体指揮をつとめる山口広輝さんに、制作秘話や思いについて伺いました。
2秒で印象に残るものを
── 印象に残るキャッチコピーが毎年登場しますが、特に心がけていることはなんですか。
山口さん:まず短くて、キレが良く、ひっかかりがあること。駅頭のポスターは平均視認時間が約2秒と言われているので、短い時間で目に入って、しっかり印象に残せるようなコピーにしています。あとはみなさんが、冬の合言葉として使いたくなるような言葉を意識しています。
東日本大震災後に、被害を受けたJR東日本管内の冬の観光を応援する意味合いもあってキャンペーンが復活することになり、そこから担当させてもらっています。復活第1弾の「青春は、純白だ。」では、たくさんの方が雪の上に寝転んで、そこにキャッチコピーを入れた画像をSNSにアップしてくれました。
「青春は、純白だ。」を「空白だ。」とか「淡泊だ。」などと変えて遊んでくれたりしているのも多かったですね。
その翌年に書いた「ぜんぶ雪のせいだ。」というコピーは、そこをより強く狙って「ぜんぶ〇〇のせいだ。」の、〇〇の部分で遊んでもらうことを想定したので、多くの人に使ってもらうことができました。
でも、その年は大雪の影響で生活にさまざまな影響が出たので、実はいちばん使われたのはキャッチコピーそのままの「ぜんぶ雪のせいだ。」でした。
── 今まででもっとも反響が大きかったものはどれですか。
山口さん:やはりキャンペーン復活第1弾の「青春は、純白だ。」です。まずブレイク前の本田翼さんが「あの可愛い子は誰だ」と話題になりましたし、恋愛もののCMだったのも大きいと思います。
震災後は他の企業も自粛気味で、真面目なトーンの広告が多かったなかで、キラキラした世界観を描いたので目新しさがあったんだと思います。