一生添い遂げようと決めて結婚してもうまくいかないケースはあります。かわいがって育てた子どもが親の想像とはかけ離れた道を歩き出すこともある。悩んだり苦しんだりしているとき、人の意見を聞くのは大事ですが、あまりに踏み込んでこられても困ります。ましてそれが身内だとしたら…。
モラハラ夫と離婚すると姉がガミガミ言うように
26歳のとき、職場の先輩だった7歳年上の男性と結婚したケイコさん(43歳、仮名=以下同)。祝福されて退職、子どもにも恵まれましたが、夫のモラハラが次第にひどくなっていきました。
「もともと先輩だから上下関係がありましたが、それが家庭でも反映されてしまいました。つねに夫は命令口調になり、子育てに右往左往する私に『なんでそんなに要領が悪いんだろう』と冷たく言い放つ。
エスカレートしていって、直接的な暴力はふるわないものの不機嫌になると物を投げつけたりするように。怖くて一緒にいられず、息子が3歳のころ、逃げ出しました」
弁護士をつけて協議し、1年半後にようやく離婚が成立しました。その間、息子は「パパ」についてひと言も発しなかったそうです。
「離婚したとき、5歳の息子にはちゃんと説明しました。そしてもしパパに会いたかったら、会えるんだよということも。でも息子は会いたいとは言わなかった」
ケイコさんの父はすでに亡くなり、母は働きながら小さなアパートでひとり暮らしをしていました。彼女には3歳違いの姉がひとりいますが、姉は家庭を持っていました。
「私が離婚したとき、姉は『あんたの我慢がたりないんじゃないの?結婚してもらったのにわがままよ』と言ったんです。姉とは昔から相性が悪かった。両親に厳しくしつけられた姉は、自由に振る舞う私に嫉妬していたんだと思います」
だから姉は離婚した妹をさんざん悪く言ったのでしょう。姉とはほとんど行き来がなかったのですが、共通の知り合いや親戚には、「ケイコが悪いから離婚されたのよ」と言いふらしていたようです。