義両親の熟年離婚を目の前にして、苦手だった義母から解放された思いの女性がいます。「義父との同居もいいかも」と、義母への仕返しも考えるくらいですが、そこには本心も見え隠れします。自分たち夫婦も考えさせられることもあった、熟年離婚の実態に迫ります。

 

70代の義両親が突然の離婚と聞いて

「夫の両親が突然離婚して、驚いている」と話すのはマサミさん(38歳・仮名=以下同)です。マサミさんは夫と結婚して8年、ひとり娘は5歳になりました。夫の両親はともに70代前半です。

 

「夫の実家は自宅から1時間半ほどですが、共働きということもあったし、義母とはどうも相性が悪く、あまり行く気になれませんでした。

 

それでも義姉一家から号令がかかると行かざるを得ない。コロナ禍前は月に1回くらいは招集されていました」

 

子どもができる前は「まだなの?早く内孫がほしいわ」と言われ、娘ができれば「ふたりめは?」と催促してくる義母が、マサミさんは苦手でした。

 

「夫がちょっと体調が悪いと言うと、『ちゃんと栄養のバランスを考えた食事を作ってもらってるの?』と言う。一事が万事、そうなんです。

 

うちは共働きだから夫が料理をすることもある。あるとき夫がぽろっとそんなことを言ったら、私は別室に呼び出され『一家の主婦、妻とはどうあるべきか』を懇々と説教されました。

 

途中で義父が気づいて助けてくれたんですが、夫はあとから『ごめん』と言っただけ。本来ならその場で母親を止めるべきなのは夫なのに」