「初めて会う人ばかり」でも心強いメンバーが集まる
いっぽうでメンバーたちも皆みずからの意思で活動するなかで、代表者の重責は担いきれない思いもあったそうです。
國近さんは、自然と“周りの人が僕でいいなら、やりますよ”と言って、理事長もその言動を後押しします。
面会のときまで、國近さんは他のメンバーの誰も知らず、昭一郎さんのアメフト関係の男性、母親の清香さんの会社の同僚やママ友など、“初めまして”の人ばかりだったといいます。
「メンバーにはとても恵まれました。弁護士、会計士、サブメンバーとしてPR業の人も入ってくれた。それぞれの強みを活かせそうな人がそろった感じでした。
あおちゃんを救う会の規約に載せる会員は8名でしたが、それ以外にもサポートするサブメンバーを含めれば、最終的に50人近くが『救う会』に集まりました」
会の目標は、海外での心臓移植手術の実現と成功にあります。それに付随して、術後の帰国に至る家族のサポートも目的です。そのための手術代や家族の渡航費など、多額の募金額を集めることが必要でした。
結果的に集まったメンバーの一人ひとりのつながりが小さな命をつないでいくために大きなうねりをつくり、目標募金額をクリアしました。その始まりは、仕事付き合いでリスペクトし合った人と人との邂逅だったのです。
取材・文/西村智宏 画像提供/佐藤昭一郎、佐藤清香