家族や仕事を犠牲にしてまでもやる「覚悟」が必要

佐藤夫妻も「あおちゃんを救う会」のメンバーになってもらう人として誰に声をかけるか、誰なら託せるかを考えたはず。それぞれに仕事があり、生活や家族の事情も異なり、力になりたくてもなれない人もいるからです。

 

「メンバーになるよう声をかけて、気まずくなって友人関係がぎこちなくなることだってある。ご夫婦にも迷ったり、ためらったりした瞬間もあったと思います。

 

そんなふたりが僕に、“助けてほしい”と声を振り絞ってくれた。僕は“相談がある”と連絡を受けたときから、力になろうと覚悟を決めていました」

 

こうした「救う会」のメンバーになるのは生半可ではできません。やることは山ほどあって、時間との戦いでもあります。事務所や口座の開設、支援の依頼、広報活動...などなど。

 

家族との時間を削り、仕事とも折り合いをつけて、記者会見や募金の先頭に立てば、世間の目にさらされていく。行政や関係者を回って協力を仰ぐ日々も待っているからです。

 

「まず、両親が声かけして決まったメンバー8人がそろったところで、事前に両親が相談していた日本移植支援協会の高橋理事長と面談することに。

 

その席で『あおちゃんを救う会』としてやるべきこと、過去にあった同様の事例などの説明を受けました。その際、「救う会」の代表を誰がやるべきかも話にのぼりました。

 

通例として数々の事例を経験してきた支援協会が、誰なら代表者を担えるのか、判断するとのことでした。理事長は私たちとの対話をしながら、判断し見極めていたと思います」