プロポーズは滝行だったワケ
── ちなみに、プロポーズしてもらった場所はどちらですか?
加藤さん:滝行中です。
── ええっ!?滝行を選んだ理由は?
加藤さん:結婚を前提にお付き合いをしていたので、どうせなら記憶に残るプロポーズがいいねっていう話はしていたんです。
その後、一緒にテレビを観ていたときに、芸人さんが滝行をしていたんです。「本当にあんなに冷たいのかな」っていう話になって。「修行だけあって、究極につらいらしいよ」「じゃあやってみる?」「いいじゃん!」と、若干悪ノリもあって決めました。滝に打たれるのがつらい月、1年中でいちばん寒い2月を選んだんです。身も心も清めてもらうような気持ちもあったのかもしれません。やるからには、ちゃんとやろうとなって、色々調べました。
夫は私に合わせてくれる、ノリが良く柔軟な人で。水浸しになってガクガク震えながらプロポーズするプランにノッてくれるなんて、最高の人!だと思いました。
── 実際に体験してみて、いかがでしたか。
加藤さん:滝行用の行衣(ぎょうい)を着て両手を合わせて立つと、最初は頭のてっぺんに勢いよく滝の水が当たるんです。でも、その段階ではまだ、心身ともに余裕があるんです。
死ぬほどつらかったのは、滝がかかとに到着したとき。寒いのではなく水が冷たすぎて、一瞬意識が飛びそうになりました。しかも何度も。「持っていかれる。しっかりしなくちゃ」と、自分に言い聞かせ続けていました。そこからは冷たいというより、全身が痛かったです。
── 滝に打たれ続けて、どれくらい経ってからプロポーズをされたのでしょうか。
加藤さん:全身が痛すぎて正確な時間は覚えていないんですけど、たぶん10分から15分後ぐらいでしょうか。住職さんが鈴をシャンシャン鳴らしながらしゃべり終えるまで、滝に打たれながら話を聞いた後にプロポーズされました。2人で全身ブルブルと震えながら、夫は「結婚してください!」と叫び、私は「私をお嫁にしてください!」と叫び。住職に「もう1回!」と言われて、私は同じ言葉を繰り返しました。
── 1回ではOKが出なかったんですね。
加藤さん:夫は3回言わされていました。「あれ、絶対悪意あったよ」とボヤいていましたけどね(笑)。滝行の映像はビデオカメラで撮影してあったので、「披露宴の映像で流そうよ」という話になり、実際に使いました。