子連れ宿泊デビューは1歳未満が半数
ホテルのフロントに飾られているのは「ウェルカムベビーのお宿」認定トロフィー。ミキハウス子育て総研が2008年からスタートした事業で、オリエンタルホテル 東京ベイは第1号に認定され、今年6期目の更新を迎えようとしています。
事業開始の背景には、子育て中の家族が旅行をする際のニーズがありました。
「子育て中のママを対象としたリサーチを実施し、子育て世帯のお出かけ事情について調査しましたところ、お子様との初めての旅行は1歳までに行っている方が半数を占めていらっしゃいました。
また、行き先としてリゾートホテルや旅館、シティホテルといった回答が多くありましたが、寝る環境がどうか、食べられるものがあるか、子どもの椅子があるかなど、お子様向けの情報をトータルで把握できないという課題がありました。
ニーズがある分野で第三者評価の印をつけて差別化を図り、子育て中のご家族に、より安心してご旅行を楽しんでいただきたいという思いで認定事業をスタートしたのが始まりです」(ミキハウス子育て総研 ウェルカムベビーのお宿 認定師 横溝衣里さん)
認定には、専門家や子育て中のママの意見を参考にした100の項目があり、1項目を1点として最低70点を取得することが条件です。
窓から落下の危険はないか、子どもの顔や頭がぶつかってしまう高さのところに鋭利な角がないかなどの安全面や、お風呂やトイレなど施設側の項目と、サービスや備品の貸し出し、食事についての項目などがあります。
「小学校に上がる前の未就学の時期は、平日でも比較的ご旅行がしやすいため、一般的な夏休みや冬休みなど、混んでいる時期を避けて旅行できることがメリットです。人ごみを避けるだけでなく、繁忙期に比べて安価に宿泊できるのも嬉しいですね」(ミキハウス子育て総研 ウェルカムベビーのお宿 認定師 横溝衣里さん)
コロナ禍で、人混みを避けつつ、平日にリモートワーク、ワーケーションをするために家族で長期滞在するという目的の方も増えたそうです。
「『ウェルカムベビーのお宿』の認知も広がり、認定されているホテル・旅館の中から、次の旅行先を選んでいるといった声もたくさんいただくようになりました。お子さまの安心・安全はもちろんのこと、日頃育児を頑張っていらっしゃるママやパパのリフレッシュの機会となるよう、『ウェルカムベビーのお宿』の取り組みを全国に広げられたらと考えております」(ミキハウス子育て総研 ウェルカムベビーのお宿 認定師 横溝衣里さん)
取材・文・撮影/内橋明日香 画像提供/オリエンタルホテル 東京ベイ、ミキハウス子育て総研